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楽天、PayPay、Vポイント 国内2.5兆円市場を制するのはどこか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月27日 8時46分

 実は携帯電話会社の通信サービスなど毎月の利用料金に応じてポイントが付与されるサービスの利用より、金融サービスと密接に連携しているほうがユーザーの満足度は高い。

 「銀行などの個人向け金融サービスは長期利用を前提としている。特定の経済圏のサービスにまとめるハードルは高いが、離脱も少ない」と奥氏は分析する。つまり、携帯キャリアを変えることにこだわりがない人でも、ポイントと組み合わせて決めた投信積立などのサービスへの忠誠度は高くなるわけだ。

 金融サービスの利用は全体の1割程度にとどまるが、ここを制したポイントがユーザーの支持を集めることにつながりそうだ――。と思いきや、実はここで強いのも楽天ポイントだ。金融サービスもまとめて利用しているユーザーが突出して多いのが楽天ポイントのユーザー。ここでも楽天ポイントの盤石性が見える。

 とはいえ金融連携で伸びしろがあるのは、今回満足度調査で最下位(前回も統合前のTポイントが最下位)だったVポイントだろう。共通ポイント各社の中で、唯一金融を母体とする三井住友カードが運営しているわけで、そのシナジーをつくれればとても粘着性のある経済圏になるはず。

 SBI証券とのクレカ積立は成功例だったはずだが、プラチナプリファードのポイント還元率変更はユーザーには改悪と見られている。このあたりの取り組みは、もう一歩の改善が必要だろう。

●これからどのポイント経済圏が伸びるのか

 最後に、ポイントの確認のしやすさというのが、意外と満足度に影響している。そしてここでもPayPayはスマホアプリでポイントを確認するユーザーの比率がトップなのだ。さらに言うなら、ポイントに関係したアプリがたくさんあるよりも、1つのアプリに集約されているほうがユーザーは安心して利用できる。

 つまり当初からスーパーアプリを目指し、PayPayアプリ一本ですべてを完結させようとしてきたPayPayは満足度も高い。これに気付いた楽天は、複数のアプリを1本化してスーパーアプリ化する方向に転換を始めている。

 一方、ここに大きな課題があるのがVポイントだ。旧Tポイントアプリは「Vポイントアプリ」に名前を変え、決済機能を持つ「VポイントPay」アプリもあり、三井住友カードのアプリは「Vpass」で、三井住友銀行アプリは「三井住友銀行アプリ」。企業ごとに別々のアプリを用意して、ユーザーに使い分けを強いているわけで、これはユーザーの利便性というよりも提供側の都合だ。

 単なる利用者数やアプリDL数ではなく、満足度をチェックしていくと、これからどのポイント経済圏が伸びるのか、または課題があるのかが明確に見えてくる。JDパワーの調査は毎年行われている。来年までにどこまで各社が満足度アップに取り組むかが楽しみだ。

(斎藤健二、金融・Fintechジャーナリスト)

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