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ポケカ「リザードン」落札額4500万円 米競売会社が、日本市場を狙い撃ちしたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月10日 19時56分

――ヘリテージの強みは何ですか。

マッダレーナ: サザビーズやクリスティーズはこれまで美術工芸品を中心にオークションを展開してきましたが、値が上がり過ぎて売り上げが伸び悩んでいます。その中でわれわれは、ポップカルチャーアイテムのコレクションに卓越性があり、例えば日本独自の「ポケモン」グッズやアニメの原画を通してオークション市場に新たな刺激を与えることを目指しています。最近では、競合もこうしたグッズに関心を示しており、彼らがわれわれの得意なアイテムに入ってきています。

――ドジャースの大谷選手の活躍に伴い「大谷グッズ」も注目されていますが、スポーツ関連のアイテムは取り扱っていますか。

マッダレーナ: わが社は有名選手のスポーツグッズを得意としていて、トップレベルの実績があります。NBAのマイケル・ジョーダン選手が1992年に着用していたユニフォーム、大リーグのジャッキー・ロビンソン選手のバットなど多くのグッズを出品してきました。大谷選手がメジャー通算で松井秀喜選手を抜いて日本人として最多となる176本目のホームランを打ったボールを今年8月に出品しました。同月には大リーグのベーブ・ルースが1932年に着用していたユニフォームも出品され、35億円で落札されました。

――偽物が出品されないためにどのような対策をしていますか。

マッダレーナ: 出品する前に、米国にあるトレーディングカードなどの真贋鑑定をしているPSAやCGCといった鑑定専門の会社に鑑定を依頼して、本物だという証明書をもらってから出品しています。

――出品に当たり、生成AIなどテクノロジーを活用していますか。

マッダレーナ: 膨大な数の出品数のカタログを作る際に活用しています。出品の写真が出ると、その品物の説明文が生成AIによって自動的に表示されるなど、テクノロジーには投資をしています。

――今後、どこに注力して売り上げを伸ばそうと考えていますか。また、サザビーズとクリスティーズにはどのように対抗しようとしていますか。

マッダレーナ: この半年は順調に伸びています。今後は売り上げを伸ばすために、各アイテムの専門家を雇用したいと思います。この業界は専門家を養成するために時間もかかるので、段階を追ってわが社が得意とする分野を核にして、日本を含む世界のオークション市場で売上高を伸ばしたいと思います。サザビーズとクリスティーズは美術工芸品などそれぞれ特徴のある分野を持っているので、競合はしていません。お互いに特徴を生かしながら成長していきたいと考えています。また特定のコレクターだけを対象にするのでなく、より多くの出品者に出品してもらいたいと思っています。

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