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Excelバケツリレーで資料作成──20年前と変わらぬ業務フロー、どう改善していくべきか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月19日 6時30分

 一番分かりやすい組織能力の拡張とは、「Excelバケツリレーの解消」である。

 あなたの会社でも、毎月行われる「役員会」のテーブルには、前月の売上や利益などの「報告資料」が置かれるだろう。

 各営業部門や工場が、売上高や出荷高をExcelの表にまとめて「上」に送る。上はそれをとりまとめたExcelの集計ファイルをさらに上に送り、それをさらに上がとりまとめ……という作業を、多くの管理部門が、毎月、毎日、行っているはずだ。

 このバケツリレーという名の業務プロセスには時間がかかり、社員の手間がかかり、ということは人件費というコストを消費しており、そしてミスの可能性がある。

 ところが、これが正しくソフトウェア化されるとどうなるか? 所要時間・手間・コスト・ミス、全てがゼロになる。どの数値をどれと合算あるいは変換して合計を出さねばならないか、は決まっている(もしそれ以外の計算をうっかりしてしまったら、それは全て「間違い」になる)、つまり定型作業だからだ。

 単なる「集計」だけではない。例えば在庫の管理、生産量の管理、売り上げ・利益の管理、請求・入金の管理、購買管理、人事管理……あらゆる業務プロセスが、正しくソフトウェア化されると、それまでその部分の作業をやっていたホワイトカラー社員の手間(と所要時間とその分の人件費とミス)はゼロになり、従ってその社員はその分、他のことに手間と時間をかけられるようになる。

 これが2000年前後以降に起きた「ホワイトカラーの生産性革命」の本当の正体である。定型業務をヒトから剥がして「デジタルな自働機械」、つまり人間の知恵を付けたソフトウェアにやらせるようになったのだ。

 すると社員は、デジタルな自働機械という“ゲタ”が肩代わりしてくれる分だけ余力ができ、その分の脳力を非定型業務に振り向けることができる。仮にある社員の業務時間のうち定型業務の割合が50%だったとすると、その50%はまるまる浮くから、その社員の生産性は直ちに2倍になる。

 この “ゲタ”の高さが高いほど、その業務に関わる社員全員に余力が生まれ、一方で定型業務は4ゼロで回るようになる。よって企業はこのゲタを整備し、さらにそれを少しずつ高めていくという競争に入っていった。

●ソフトウェア化=機械化

 これは、ブルーカラー業務でいえば「機械化」にあたる。ヒトが汗水たらし、時間と労力を投入して行っていた作業のうち、機械にやらせることができる部分を機械化できれば、その部分はヒトがやらなくてよくなるから、他のことをやる時間ができる。

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