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ドンキの焼き芋が「10分で100本」売れる 人気の秘密を聞いた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 6時15分

 「海外の消費者は『日本産ブランド』に価値を感じている。日本産の原料を使い、日本の工場で製造したことが安心感につながっているようだ。日本語と英語を併記したパッケージは海外でも好まれ、日本では外国人のお土産として購入されている」

 焼き芋関連商品については、海外で「焼き芋のお酒」「焼き芋大福」などを販売していたが、現在は扱っていない。今後は海外輸出を強化する。具体的には、日本で販売する「焼き芋ポーション」(10個入り、431円)などを、海外でも展開していくという。PPIHの海外店舗は100店舗ほどあって、企画段階からどの国で販売するかを決定していくそうだ。

 今後は「焼き芋のお酒」「焼き芋タルト」「焼き芋スプレッド」に加え、半年に1アイテム、年間2アイテムのペースで焼き芋関連商品を投入する予定だ。「売り上げとしては、関連商品全体で前年比120%増を目指す」という。

●外国人に焼き芋が人気のワケ

 ところで、ドンキの焼き芋や焼き芋関連商品は、日本人だけでなく、なぜ外国人にも人気なのだろうか。

 ドンキの焼き芋で採用しているサツマイモは、収穫後にキュアリング処理(収穫後3~4日間、高温・高湿度条件下に置く処理のこと)を行う。貯蔵庫で1年ほどの保管が可能になり、熟成期間を経て出荷する。品質の良いサツマイモだけを農家が選別し、出荷することでねっとり食感を生み出している、という特徴がある。

 焼き芋関連商品については、焼き芋と同じ品種のサツマイモ(紅はるか)を使用。販売前には、青果の本部担当者も一緒に試食会を行う。担当者から「これならドンキの商品として販売して大丈夫だ」といった“お墨付き”を得て、店頭に商品が並ぶそうだ。

 海外店舗での焼き芋販売は、どのような状況なのか。2017年12月に海外1号店「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店」(シンガポール)が誕生し、そのオープン当時から販売している。

 「焼き芋は日本で人気があったので販売する予定だったが、当初『メイン商材』としては考えていなかった。しかしシンガポール1号店の店長に試食してもらったところ『驚くほどおいしい!』という感想が返ってきた。ローカルスタッフの舌に合うのであれば、ある一定の支持が見込めるのではないか、ということで販売を決めた」

 シンガポール1号店をオープンすると、焼き芋機の前に大行列ができた。シンガポール2号店、3号店、タイ1号店のオープン時も行列ができたことで、手応えを感じた。青果担当者は日本各地の産地を回り、海外で販売できる品質・量のサツマイモを確保。なお、採用しているサツマイモは、日本のドンキで販売している原料とは異なる産地のものを使用している。

 いまは、どういった状況になっているのか。爆発的なブームは過ぎ、日常的に購入するモノとして定着しているようだ。

 「東南アジアで暮らす人の多くは甘いモノが好きだが、海外のサツマイモは甘みを感じられない。しかし、紅はるかなど日本のサツマイモはしっとりした甘さと食感があるので、人気を得ているのではないか。また、焼き上がる時の香りや焼き上がった瞬間にしか買えないという限定感が人気につながったと考えている」

 焼き芋に続き、関連商品も海外で定着していくか。今後の反響にも注目したい。

(熊谷ショウコ)

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