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月1回の「週休3日制」の効果、売上は過去最高に 老舗黒板メーカーのやり方

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 6時30分

 運用から1年以上経ち、社内アンケートでは75%が「普段の業務への意識が変わった」と回答。具体的には「特別休暇のため短期的に業務をちゃんと終わらせる経験を通じて、身動きが取れないスケジュールの前日や金曜日などにもその意識を持つようになった」「週5タスクを割り当てていたが、休暇があることで同じ部署内へ引継ぎが必要になる。ある意味チームワーク力が向上した」といった意見がみられた。

 前述の回答にあるように、業務の属人化の解消にもつながったという。これまでは個人の中に情報が閉じていたが、メンバーが休みのタイミングでもチーム内で業務が滞らないようシステムを導入。情報を集約化し、誰でも閲覧できるようにした。

 「黒板業界は土曜日も働く、年間休日108日の会社もまだ存在します。当社が休むことでお客さんの仕事に影響が出たり、協力会社に迷惑をかけないように意識しました。休みを増やした分、受注率を上げる必要があるという考えを全員が持ったことで、業務の属人化を解消する動きが社内でどんどん広がっていきました」

 月1の週休3日制の案を発表したときには、社員から「本当にやるんですか?」という心配の声もあった。しかし、導入から約半年後の経営発表会では、すでに社員の意識改革が見られた。「会社の業績目標を達成しないと、この良い制度が終わってしまう」ことを理解し、会社の成長にどう貢献できるかを各々が考えている様子が伝わったという。

 「わたしから生産性向上に向けた声かけはしていませんが、これまで役員や部長レイヤーで強く持っていた数字に対する意識が各チームにも芽生え始めた実感はあります。会社の目標を踏まえて、自部署のKPIを設定し、それを達成するためにどう動くかを能動的に考えてくれています」

●独自の週休3日制で変わるサカワ 社員を信頼し、任せる強さ

 月1の週休3日制でできた休みを社員はどのように使っているのか? 社内のアンケートには「有休は用事ありきで使用しているので、何もないお休みを会社側からいただけるのは最高です。自分の時間を満喫できています」「子どもは幼稚園の時間で、世話をしなくていいから本気で休める」といった回答が寄せられた。

 水曜日を休みにしたことで、商業施設や病院、役所なども土日や他の平日に比べて空いているため、ため込んでいた用事も済ませやすい。子育てをしている家庭であれば土日は子ども優先で自分に時間を使えない社員も少なくない。

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