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月1回の「週休3日制」の効果、売上は過去最高に 老舗黒板メーカーのやり方

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 6時30分

 仕事の面では、水曜日を休みに設定することがポジティブな締め切り効果につながっているようだ。「どの曜日を休みにするかについては、かなり議論しました。金曜日も候補としてあったのですが、金曜日は仕事を残さないようにするので結構忙しい。水曜日に設定することで、金曜日と週に2回締め切りができ、仕事に対する意識が変わるだろうと考えました」

 週休3日制は理想の制度だが、やり方によっては疲弊する社員や不満を抱える社員も出てくるだろう。月1回の週休3日制という地に足付いた、独自のやり方を展開することで、大きなトラブルを生むことなく組織に馴染(なじ)ませた。今後は現在の月1回の週休3日制を月2回にすることも検討していく。

 さらに、坂和氏は独自の週休3日制導入を機に、営業会議などへの参加も減らした。

 「もちろん数字はしっかり見ていますが、彼らに任せる気持ちです。『責任は自分が取るのでやりたいようにやってくれ。自分は会社をもっといい場所にするための文化づくりや環境づくりに力を注ぐ』と話しています。業績が落ち込むときもありますが、その時は社員に声をかけます。社員がすごく大事だというメッセージをこの1年ずっと伝えてきました。社員も分かってくれて、みんなでサカワを勝たせようという雰囲気を感じます」

 「数字を見ている暇はない。彼らに任せている」と笑いながら話す坂和氏だが、その発言の強さは、深い信頼関係にある社員との普段のコミュニケーションの積み重ねに裏打ちされているようだ。これからも、坂和氏がまいた種が社員の組織貢献の気持ちによって育まれ、大きな花を咲かせていくだろう。

(熊谷紗希)

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