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デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月5日 6時10分

デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと

西武池袋本店が2025年1月にリニューアルオープン

 2025年1月にリニューアルオープン予定の西武池袋本店(以下、西武池袋)が、今夏より実験的な取り組みを開始している。改装期間中、地下1階にあった食品売り場を7階に移動して「デパナナ」として営業しているのだ。

 多くのブランドをそろえる常設の食品売り場を上層階で展開するのは、百貨店の取り組みにおいて珍しい。というのも、地下と比較して上層階への集客は難しいとされるためだ。

 デパナナは従来の食品売り場と比較して面積が3分の1弱になったことから、ブランド数も従来の約200から約70に厳選。それに伴い各ブランドの売り上げ目標も従来の7割としており、想定通りの結果が得られているが、意外な反響も見えているという。

 デパナナの取り組みによって、どんなことが分かったのか。西武池袋本店 ブランドマネジメント部 デパ地下担当BMマネージャーの溝部智弘氏に取材した。

●改装に伴い、規模を縮小して7階へ

 2023年9月1日、セブン&アイ・ホールディングスが子会社のそごう・西武を米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却した。

 フォートレスの完全子会社となったそごう・西武は、新株主のもと事業戦略を再構築し、2024年6月に本格的な改装工事への着手と2025年夏のグランドオープン予定を発表。6月21日には、ヨドバシカメラの新業態で美容体験に特化した「ヨドブルーム(Yodobloom)」が西武池袋にオープンした。

 売り場面積の半分弱をヨドバシカメラが占めることから、西武池袋の面積は大幅に縮小する。2025年のリニューアルでは、「ラグジュアリー」「コスメ」「デパ地下」の3領域を中心とした店舗に生まれ変わる。

 この改装に伴い地下1階をクローズする必要があり、そこにあった食品売り場をどうしようかと検討した結果、デパナナのオープンを決めたという。

 「食品は非常にニーズの高い商品であり、改装期間中も提供し続けたい思いがありました。売り場を7階にしたのは、元々が催事場であり火気や水道、排気機能などのインフラが整っていたことが理由です」

 デパナナは地下の食品売り場と比較して面積が3分の1以下に縮小されており、出店数も同様に減らしている。さらに各店舗の売り場面積も以前より小さいという。つまり、人気ブランドの売れ筋商品をぎゅっと凝縮して展開している。

 「従来のデパ地下は『総菜』『菓子』『名産品(ギフト系)』の3領域があったのですが、デパナナではよりニーズが高い『総菜』と『菓子』の2つに絞り込みました。さらに『和総菜』『洋総菜』『中華総菜』といった各カテゴリーの中で人気ブランドを厳選しています。規模は縮小しましたが、常設売り場と見え方が変わらないように配慮しました」

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