デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋の実験で分かった意外なこと
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月5日 6時10分
●苦労はバックヤードが遠いこと
想定通り、あるいはそれ以上の反響が得られている一方で課題を尋ねると、「バックヤード」の扱いを挙げた。
「当店のバックヤードは地下2階と3階にあり、商品のストックを置くスペースに加えて総菜などを調理できる厨房もあります。地下1階で営業していた際はバックヤードまでの行き来が5分ほどとスムーズでしたが、現在は距離が遠くなり倍の10分かかってしまう、といったことが発生しています」
思いの外、売れ行きが良いこともあり、各ブランドからも『売り場の近くにストックを置きたい』と再三言われているが、構造上の理由で実現できていないという。特に混雑する時間帯にストックが切れてしまうと、売り逃しが発生することもあるかもしれない。
また、これから年末年始に向けて百貨店の食品売り場は行列ができるほどの混雑が予想されるが、そうした際の顧客の誘導にも細心の配慮が求められる。
「地下より売り場面積も狭いですし、お客さまの動線も当然狭くなるため、丁寧にご案内して安心安全にお買い物ができるよう運営していきます。その上で、引き続き目標とする売り上げを確保できればと思います」
西武池袋では、地下1階の食品売り場、及び2階、3階のコスメ売り場を2025年1月に、1・2階、4階~6階(フレグランス・宝飾・時計・ラグジュアリー)を同年春に、7・8階(ファッション・雑貨・催事場・アートサロン)を同年夏~秋にオープン予定としている。
百貨店の顔と言えるデパ地下には、百貨店初出店の新ブランドを含む約180ショップを展開予定だ。バラエティー豊かなブランドがそろうことで集客につながるが、一方でデパナナの実験を通して「幅広く何でもそろうという従来のような打ち出しではなく、適正な面積で一つひとつのブランドや商品の価値が伝わる見せ方をしていかなければという視点が芽生えた」と溝部氏は締めくくった。
斬新なデパナナの取り組みを経て、西武池袋のデパ地下はどう生まれ変わるのか。引き続き注目が集まりそうだ。
(小林香織)
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