1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

コメダのレア業態、「団子が焼ける」喫茶店はわずか14店舗 なぜやっている?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月17日 7時15分

コメダのレア業態、「団子が焼ける」喫茶店はわずか14店舗 なぜやっている?

コメダが展開する「おかげ庵」あざみ野ガーデンズ店(編集部撮影)

 コメダ珈琲店を手掛けるコメダは、和の雰囲気漂う業態「おかげ庵」をわずか14店舗だけ展開している。既にブランド認知が高いコメダ珈琲店が、なぜこのような新業態に挑戦しているのか。その背景と意図について考えてみたい。

●「おかげ庵」の戦略

 コメダ珈琲店は、全国に1004店舗(2024年2月末時点)を展開する有名カフェブランドだ。シロノワールやモーニングといった看板メニューで知られるほか、フードメニューの量が多いとしてSNSでは度々話題になるなど、親しまれている。

 おかげ庵は、そんなコメダ珈琲店の新たな挑戦の一つである。和テイストの落ち着いた空間で、抹茶やスイーツ、そして自分で焼くことができるお団子といった、コメダ珈琲店の既存店舗では味わえないメニューを提供している。

 一見するとコメダ珈琲店の従来のイメージとは異なるように思えるが、なぜこのような業態を展開しているのだろうか。

●おかげ庵のマーケティング戦略を考察

 マーケティングの側面から分析すると、コメダホールディングスは以下の戦略があると考えられる。

1. 周辺需要の拡大

 看板メニューで多くの顧客を抱えるコメダ珈琲店。しかし同社は、既存顧客の満足度向上だけでなく、新たな顧客層の開拓も視野に入れる。おかげ庵という新業態で、既存顧客の来店頻度アップと新規顧客の取り込みを同時に狙う。これは、マーケティング用語で「周辺需要の拡大」と呼ばれるリーダーの戦略の定石の一つだ。

2. ブランドイメージの多様化

 コメダ珈琲店は、モーニングやシロノワールといったイメージが強い。しかし、和テイストの空間とメニューで展開するおかげ庵は、従来と異なる魅力を打ち出し、より幅広い層にアピールできるようブランドイメージの多様化を図っている。

3. テストマーケティングの実践

 全14店舗という限定的な展開は、新たな業態の成功可能性を検証するためのテストマーケティングの側面が強いと考えられる。顧客の反応や収益性を分析することで、今後の展開の方向性を検討できる。

●アマゾフのマトリックスから読み解く2つの成長戦略

 企業の成長戦略を分析する際によく使われるのが、イゴール・アンゾフが考案したマトリックスだ。以下の図をご覧いただきたい。

 このマトリックスは、商品とサービス、市場と顧客という2つの軸で企業の成長戦略を整理する。「既存の製品・サービス」か「新商品・サービス」かという軸と、「既存の市場・顧客」を対象とするか「新市場・顧客」を開拓するのかという軸を組み合わせることで、「市場浸透」「新商品開発」「新市場開拓」「多角化」という4つの戦略が導き出される。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください