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セブン&アイが期待する「SIPストア」は、「まいばすけっと」に勝てるか? 1号店で見た“残念な光景”

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 6時15分

 このようにスーパー的な商品も多いが、昼間の1時間ほどじっくり見たところ、通常のコンビニのようにドリンクや軽食などを買う客が多いように感じた。反対に、精肉や青果を買う客は少なかった。物珍しさでスーパーのエリアに寄ってみたものの、商品を手に取らない客も見られた。やはり品ぞろえと安さでは魅力が弱く、向かいのオーケーの方がにぎわっている。

●グループ内のチェーンとのコラボも、足かせに?

 SIPストアでは試行錯誤している様子が随所にみられた。具体的には、雑貨チェーンのロフトがセレクトした商品や、「アカチャンホンポセレクション」など、グループ内チェーンとのコラボコーナーが挙げられる。

 ロフトがセレクトした商品では、化粧水やアイライナーなどの化粧品を陳列。女性客を取り込む狙いがあったのだろう。常盤平駅周辺にコスメ関連の店舗が少ないことを出店のきっかけとしているものの、今後展開していく上では、特に薬局の多い地域などで効果が薄れてしまうと感じた。

 離乳食などベビー用品のアカチャンホンポセレクションは、近隣の子育て世帯にとって有意義ではあるが、少子高齢化時代ではビジネスとして大きく成功する可能性は低い。化粧品と同様、薬局も競合となるため、現状のSIPストアをそのまま全国展開するのは難しいと考えられる。

 ちなみにSIPストアの2階には、22席のイートインスペースと赤ちゃん休憩室(授乳室)、子どもが遊べるキッズルームがあった。しかし日曜の昼にもかかわらず利用者は筆者のほか男性客1人だけで、利用者が少ない印象を受けた。

 ファミマで無印良品の商品を取り扱った施策が失敗しているように、そもそもコンビニと他企業のコラボは効果が薄い。コンビニにおけるメインの商材は、あくまでも食品とたばこであり、売り上げの1割しかない非食品に力を入れたところで、全体への影響は小さいと考えられる(セブンは既存店でダイソーとのコラボを強化している)。

●類似コンセプト「まいばすけっと」との違い

 あくまでもテスト店舗と位置付けるSIPストアが1号店から増えないのは、やはり競合が多いためだろう。日販は100万円を超え、女性客比率も既存店の4割台から65%に上昇したとしているが、他の地域に出店できるかは疑問だ。前述の通り、化粧品・ベビー用品で集客する手段は薬局が競合となり得る。向かい側のオーケーに客を取られているように、食品スーパーには品ぞろえと価格で劣る。

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