部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 8時10分
「この商談はどうなってるんだ? ちゃんと進捗を報告しろよ」「あの研修は終わったのか? 終わったのならキチンと結果の報告をしなさい」と、報告を怠る部下に小言を言う。しかし報告を怠る上司も多いのだ。
進捗報告と結果報告を意識しよう
「来週から4日間、組織風土診断のアンケートが始まる。必ず提出期限を守るように」
という連絡があったとしよう。それでは、こうしたときに望ましい報告とは?
「組織風土診断のアンケートを専門の企業に分析してもらっている。予想以上に時間がかかっているようだ。結果は10日後に出ると思う」
「先日行った組織風土診断のアンケートだが、結果はさらに3日ほど遅れるようだ」
これらが「進捗報告」である。報告は状況に変化があるたびにしよう。次に「結果報告」はこうだ。
「3日遅れると伝えたが、予定通りに分析結果が出るようだ。結果が出たら、全社員に開示する」
これが結果報告である。このように、報告には主に「進捗」と「結果」の報告がある。部下から上司はもちろんのこと、上司から部下に対してもまめに報告すべきである。
「あれって、どうなったんですか?」と部下から質問されるようでは、人間関係を良好に保つことはできない。
●相談は相手への「報酬」と考えよ!
そして最後が相談だ。
相談することがなくても、相談しよう。とくに上司に対しては「報酬」と捉えるべきだ。上司は部下から相談されるとうれしいものだ。相手と良好な関係を築くためと考えて、積極的に相談しにいく。
これは上司から部下に対してもそうだ。部下に対しては「報酬」にはならないが、関係を築き、維持するのにとても役立つ。
「オンライン会議のやり方、とても上手だよね? コツがあったら教えてほしいんだけど」
「SNSでこんな意見を見つけたんだけど、君はどう思う?」
こんな他愛もない相談でいいのだ。真剣に問題解決しようとせず、会話のきっかけ作りに使えると受け止めたらいい。
●全方位で「報連相の鬼」になれ!
私は自分に対しても、部下に対しても、クライアント企業の営業にも「報連相の鬼になれ!」と伝えている。上司や部下に対してはもちろんのこと、お客さまに対しても「報連相の鬼」になってコミュニケーションをとるのだ。
世の中には、いろいろな「話し方」「伝え方」「コミュニケーション」のテクニックが紹介されているが、私は「報連相」が基本だと思っている。
どんなに口下手でも、聞き上手じゃなくても、報連相さえしっかりしていれば、人間関係を悪くなることはない。たかが報連相、されど報連相だ。意外とみんなできていないので、「報連相の鬼」になるだけで、大きな強みを手に入れられるものと受け止めたい。
●著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
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