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一番人気の「かつ重」は300円未満! スーパー・トライアルが物価高時代に「安さ」で勝負できるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月22日 6時10分

 店全体として通路が広いのが特徴的である。1階食品コーナーの入口には「とぴあみかん」「風みかん」「早生みかん」と、同じ青果が多種類並んでいる。価格面では精肉や総菜、弁当類の安さが目立つ。豚の小間切れと挽肉はいずれも100グラムで99円だ。

 総菜は唐揚げや各種フライ、餃子が3~5個程度入ったパックで300円台。1パックで500円以上のケースもある他スーパーと比較すると、安い部類といえる。ファミリー層をターゲットとした、1~2人では食べきれないようなサイズのパックが多いのも特徴だ。

 弁当も、コンビニや他スーパーと比較してかなり安い。いくつか例を挙げると、三元豚のロースカツ重が299円、のり弁が329円、その他ジャンボチキンカツ弁当は449円であった。PB商品もオリジナルの強炭酸水(500ミリリットル入り)が1本55円。カップ麺や菓子類などの加工食品に関しては、一般的なスーパーであまり見かけないものの、かなり安い商品が多くあるように感じた。

●トライアルの強み「安さ」の秘訣は何か

 トライアルホールディングス(HD)では、徹底したコスト削減によって低価格を実現している。消費者から見えるところでは、クレジットカードやQRコード決済への「非対応」が代表的であろう。

 トライアルでは基本的に現金、またはプリペイドカードにしか対応していない。小売店側が決済業者に払う手数料はクレジットカードで3%前後、QRコード決済で2%前後である。営業利益2%台のスーパー業界にとって、こうした手数料は値下げの足かせになる。

 IT施策もトライアルHDの強みだ。店内に設置するAIカメラは在庫状況をチェックし、欠品率の低減や行動パターンの分析に役立っている。また、半数以上の店舗に導入済みのSkip Cartも有名だ。

 レジを通らずに決済できるタブレット端末付きのカートで、利用者はプリペイドカードをスキャンして買い物を始める。商品をカートに入れるたびにバーコードリーダーで読み込んで、専用ゲートを通れば商品分の金額がカードから自動で落とされる仕組みだ。Skip Cartは人件費の3割を占めるレジ要員の削減に貢献している。

 これらの他、組織面では食品製造以外に物流や建設部門まで「自前化」し、中間業者を省いている。

●アパレルの売り上げ構成比が低いのも特徴か

 八千代店に話を戻すと、2階は食品以外を陳列している。かつてのダイエーやイトーヨーカドーのように、非食品も扱うスーパーは1階に食品を置き、2階以上に衣料品を並べるのが一般的だ。一方、八千代店ではアパレルを主としておらず、キャンプ用品やキャリーバッグ、玩具や家電と幅広いジャンルの商品を取り扱う。

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