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プロっぽいけどアマチュアですよ 企業ロゴ入りのユニフォームがじわじわ広がる、納得の理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月23日 6時10分

 また、スポンサー集めにも困難が待っていた。これまでになかった仕組みなので、スポンサーにどういったメリットがあるのか、きちんと説明しなければいけない。「よし、分かった。広告費として考えよう」と前向きな言葉をもらえても、次に待っていたのは“逆風”である。

 商談がうまく進んでいても、コロナの影響を受けて、業績が悪化した企業も。経費を圧縮しなければいけないといった事態に陥り、残念ながら話がまとまらないケースもあったそうだ。

●大きな課題が2つ

 それでも計画通りに、事業を進めなければいけない。なんとか始めたものの、大きな課題が2つ待っていた。1つは、どういった人が使っているかである。チームの世代カテゴリーを見ると、「社会人」が最も多く53.3%。以下「小学生」が19.0%、「大学生」が14.0%と続く。しかし、ボリュームゾーンである「高校生」は6.3%、「中学生」はわずか4.0%なのだ。

 なぜ、中学生と高校生の利用が少ないのか。日本中学校体育連盟(中体連)と全国高等学校体育連盟(高体連)主催の大会では、広告入りのユニフォームは基本NGだからである。もちろん、放課後の練習や非公式の試合などでは着れるものの、中・高体連主催の大会では着用できないので、チームとしても「スポンサー入りはちょっと……」と気分がのらない事情があるようだ。

 しかし、会社として何もしないわけにはいかないので、ジャージやパーカーといったチームウェアを展開することに。企業ロゴ入りのユニフォームを買えないとなれば、ジャージはどうか。「あ、それはいいかも。できるだけ安いほうがいいからね」ということで、アウトフィッターでジャージを購入するケースが増えているようだ。

 もう1つの課題は、売り上げがサッカーのユニフォームに偏っていること。イオン・シグナ社はバレーボールとバスケットボールも扱っているが、この2つの人気は「まだまだ」といったところ。その要因として「サッカーとは異なり、バレーボールやバスケットボールでは、ユニフォームに企業ロゴを入れる歴史が浅い。そのため、アマチュア選手には馴染みが薄いのかもしれません」(担当者)

●選手の保護者は思わずこう声をかける

 ところで、アウトフィッターを利用している選手からは、どのような反響があるのか。「プロのユニフォームと同じように、企業ロゴが入っているので、自分たちが強くなったような気分になる」といった声が多いそうだ。

 一方、相手チームはその姿を目の前にして、どのような印象を受けているのか。このサービスがまだ広まっていないこともあって、初めて目にするケースも。そうした人からは「なぜ、イオンのロゴが入っているの? あいつらはプロなの?」という声もあるそうだ。

 さて、今後の話である。冒頭で紹介したように「計画通りに売れている」ようだが、認知度はまだまだ。売り上げをどんどん伸ばしていく方針を掲げているが、順調に売れていけばどうなるのか。同じロゴが入ったチームの対戦が考えられるのだ(いまのところまだ実現していない)。

 例えば「バーモンドカレーVS.バーモンドカレー」になれば、見ている観客はどう感じるのか。試合終了後、選手の保護者はこんな言葉をかけるに違いない。

 「おつカレーさま」――。

(土肥義則)

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