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低価格帯に注力し始めたセブン 「コンビニ絶対王者」がシフトチェンジを余儀なくされたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月29日 5時55分

 物価高が続き、昨今は大きく生活コストが上昇しています。実質賃金は6月に27カ月ぶりのプラスへと転じましたが、8月には再びマイナスに。消費者の生活実態はいまだ不透明な状況にあり、先行きが分からない不安から節約志向はますます強まっていくでしょう。

 だからこそセブンは消費者の節約志向に対応し、自社に抱く割高なイメージを覆して客数アップの引き金にしようと「うれしい値!宣言」を仕掛けたのです。

●コンビニ各社が「低価格弁当」に注力し始めた

 「うれしい値!宣言」では、チルド弁当や手巻きおにぎりなどのフレッシュフード分野で65商品、セブンプレミアムなどのPBで205商品、計270商品を展開しています。セブンは自社の価格戦略を「松竹梅対応」と表現しており、これらの商品は「梅」に該当するといえるでしょう。

 今までのセブンは「竹」を中心に「松」を投入して、売り上げを伸ばしてきました。しかし今後は「竹」を中心にしながらも「梅」を強化して、生活防衛意識の高まっている消費者の志向に適応する狙いです。

 中でも代表的な商品が、手巻きおにぎりとチルド弁当です。7月14日までツナマヨおにぎりは151円、紅しゃけおにぎりは189円だったところ、15日週からはともに138円へと変更しました。その結果、おにぎりの販売数量と販売金額は、6月と比較してともに1割以上の増加となっています。

 手頃な価格に消費者が反応していると分かったことで、チルド弁当でも価格を変更。399円で販売していた「麻婆丼」「五目炒飯」「バターチキンカレー」を、内容量を変えずに348円としました。これらに代表される300円台の低価格弁当が、セブンの店頭に続々と投入され始めています。

 ちなみに、コンビニ各社ではどのような低価格弁当があるのでしょうか。図に整理してみましょう。

 従来はローソンストア100の一強だった低価格弁当ですが、昨今はセブン以外のコンビニも含めて百花繚乱の状況です。各社ともに、低価格弁当を客数増の入り口商品として強化しているのだとうかがえます。

●若者の「コンビニ離れ」をどうするか

 コンビニ各社がこれほどまでに、低価格弁当を強化しなければならないのはなぜでしょうか。単刀直入に「コンビニ離れ」といえる現象がここ数年続いてきたことに起因します。特に若者で顕著です。

 現在、日本のコンビニ業界は成長期を通り過ぎて安定期、中にはすでに衰退期に入っていると表現する人もいます。大きな理由は、全国のコンビニ店舗数がここ6年間でほぼ横ばいだからです。

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