低価格帯に注力し始めたセブン 「コンビニ絶対王者」がシフトチェンジを余儀なくされたワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月29日 5時55分
2018年度に全国のコンビニは5万5979店舗ありました。それが2023年度は5万5657店舗と、0.6ポイントの減少です。セブンのみが店舗数を増やしていますが、その他は店舗数を伸ばせていません。店舗数を増やして売り上げを上げてきたコンビニが、いよいよ曲がり角にきているのです。
中でもセブンは「ほとんど毎日」利用していた客が2017年度に18%いたのに対し、2023年度には14%弱に減少しているなど、利用者の来店頻度が落ちていることの対策として、さまざまな業態や商品の開発を進めています。
さらにセブンの年齢別客数構成を少し長いスパンで見ると、客層が明らかに変化していることも見て取れます。
30年前は20歳未満が20%、20~29歳が37%と29歳以下の客層が過半数を占めていました。それが2023年度になると20歳未満が7%、20~29歳が15%と29歳以下の客層は2割程度になり、構成比にして35ポイントも減少しています。
一方で増えているのが40歳以上です。40~49歳、ならびに50歳以上の利用者はこの30年で大幅に増加し、客層の6割を占めるまでになっています。この30年間でセブンの年齢別客層の主役は若者から中高年へと大きくシフトしており、これこそセブンが伸び悩む理由です。ただ、この問題はセブンにとどまらず、コンビニ全体の共通テーマといえるかもしれません。
そんな中でセブンは低価格商品、特に若者層を取り込めるアイテムである、おにぎりやチルド弁当などで低価格商品を展開することによって、若者の来店頻度を向上させ、全体の客数を上げようとしています。実際に値下げをした「麻婆丼」「五目炒飯」「バターチキンカレー」は、過去3カ月弁当類を購入していなかった人の購入率が2割を超え、さらに30代以下の構成比も2割近くになるなど、若年層の購入率が上がっているようです。
●「梅」商品が優れるのはコスパだけではない
さて、セブンの松竹梅対応に話を戻すと、セブンでは下記のようにアイテム構成を変えています
セブンは弁当の品ぞろえ比率について「松:竹:梅=1:2:1」を目指しています。現状、売り場を見た限りでは「3:5:2」といったところでしょうか。まだ高めの弁当が多い印象です。
「松」に相当する高価格帯商品はセブンの強みだったところです。そのため、すぐにはアイテムを減らせないでしょうし、単価アップのためにも必要な商品といえます。従って、新商品の投入も継続して必要です。
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