「2030年までに完全自動運転車」 テスラ追う新興チューリングの戦略は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 9時27分
山本CEOは「当社が開発したAIモデル『TD-1』には、歩行者や車、バスなどのオブジェクトが、どのような状況で、どう動いていくかを深く理解させる必要があります。今後は、どのメーカーも実現していない、対向車などの障害物がどのように動くかを予測して、自動運転ができるように整備していきたいです」と意気込む。
これを実現するためには、人間の頭脳と同等以上の高度な判断に基づいて走行できる自動運転モデルを開発する必要がある。そのために重要なのがGaggle Clusterによる高速な計算スピードだ。NVIDIAの複数のGPUを同時に使用することによって、通信速度をスピードアップでき、それにより処理速度を速め、複数のモデルの開発をより強力に推し進めることが可能になるという。
●NTTグループ2社も支援
現在チューリングは試験運転車の走行により、3500時間ほどのデータを収集している。だが、Tokyo30実現のためには、まだまだデータが足りない。2025年までに、雨や風の強い日、混雑時など、あらゆる条件下でのデータを集めて、この自動運転システムに学習させたいとしている。
先行するTeslaは、既に10万時間を超える大量のデータを収集しているといわれ、チューリングとしてはデータ蓄積の観点からも急いでキャッチアップしたい考えだ。全ての条件のデータを集めておけば、同社が目指すドライバーを必要としない、AIが全ての運転を制御する「End to End」の自動運転走行が可能になる。
今回のシステムの開発にあたって、NTTグループ2社の支援が不可欠だった。ひとつはAIを核とする技術面、もう一つは資金面のサポートだったという。
技術の観点では、GPU基盤の構築を担当したNTTPCコミュニケーションズのAIを軸にした協力が開発を大きく後押しした。工藤社長は「計算基盤の高度利用でパフォーマンスを最大にするためには、GPUのチューニングをしなければなりません。われわれは、NVIDIAとは3年連続でエリートパートナーという強固な関係を維持しており(需要増加で品不足になりがちな)GPUの調達力があります」と胸を張る。さらに「2017年からこのGPUサーバを提供してきた経験に基づく運用力があります。今回のGPUサーバの構築は単純な技術の組み合わせではなく、(複雑な技術が絡み合う)『格闘技』だと思っています」と技術力に自信を示している。
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