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「2030年までに完全自動運転車」 テスラ追う新興チューリングの戦略は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 9時27分

 もう1社のNTTドコモ・ベンチャーズは、スタートアップなどに出資や資金支援を行うコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)で、1050億円という国内最大級の運用規模がある。今回はチューリングの資金面を支援するため4月に出資を行った。出資額は非公開だ。

 安元社長は「チューリングの中長期的な事業創出を期待して出資を決めました。NTTグループのアセットを掛け合わせながら支えていきたい」と指摘している。資金調達を受けた山本CEOは「今後は海外から、もう一けた上の金額を資金調達したい」と述べ、開発を促進するために、さらなる大きな資金調達が必要になる見通しを明らかにした。

●「『大』が『小』に勝つとは限らない」

 山本CEOは、開発方法への許認可の必要性についての質問で「将来のAIを作っていくときに、これまでのルールベースでやっていく考えは持っていない。開発するに当たって、(官公庁など)関係者の方には話はしている」と指摘。同時に、許認可を待っていては開発スピードが落ちてしまい、ライバルに先を越されてしまうという認識を示している。

 過去の事例を振り返って「大きな組織が小さな組織よりも強かったわけではないです。Teslaに見られるように、必ずしも資金力の大きい会社が勝つわけではなく、資金調達力で決まるわけではありません。必要なことは、AI開発によりみられるように(経営者として)進む方向性をビビッドに示すことが大事だと思います」と強調した。

●印西市にデータセンターを稼働

 自動運転を可能にするためには、膨大なデータを即座に処理できるようなデータセンターが必要になってくる。チューリングは千葉県印西市にデータセンターを稼働させている。記者がセンターを訪問した時には、心臓部にはNVIDIAのGPUがずらりと並んで、実用化に備えてセンターが既に試験的に稼働していた。装置を稼働させると、かなりの熱が発生するため、装置を常に冷やすクーリングシステムも完備していた。

 セキュリティが厳重で、入口では写真付きの身分証明書の提示を求められた。入構からサーバルームにたどり着くまで、カードキーでの解錠や生体認証も含め、複数のセキュリティゲートを設けている。収集したデータの漏洩(ろうえい)には特別に気を使っているようだ。

●トヨタも動いた NTTと提携

 ほぼ同じタイミングでトヨタ自動車も、AIを使った交通事故防止に向けた開発基盤を開発するためにNTTと提携した。自動運転のAI基盤を作る点でも連携する。日本を代表する大企業が手を組むことになった。このように各社が自動運転の実用化に向けて動き出している。

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