ローソンストア100「100円おせち」が改称 コスト上昇だけじゃない“値付けの裏側”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時15分
2025年分からは100円の看板を外し「ローソンストア100 オリジナルおせち」として展開
ローソンストア100は、少量パックのおせち全40品の販売を開始した。2012年の販売開始以来、累計1750万食を販売してきたこのシリーズは、これまで「100円おせち」「150円おせち」として知られていた。
2025年分からは原材料価格や流通コストの上昇によって、100円の看板を外し「ローソンストア100 オリジナルおせち」として展開している。「価値ある価格」というコンセプトにシフトした舞台裏を、ローソンストア100商品開発本部の近藤正巳本部長に聞いた。
●300円商品も 決断の背景に「意外な消費者心理」
これまでローソンストア100は、定番から高級食材までのおせち料理を「適量小分け」でそろえた「100円おせち」を展開してきた。少子高齢化による核家族化の進行やお一人様需要が増えたことが需要にマッチ。長年にわたって人気を博してきた。
しかしコロナ禍があけてから、世界的な原材料費の高騰や円安、人手不足、ウクライナと、中東のパレスチナ・ガザ地区の紛争などが発生。価格を維持するために毎年、いろいろな方策を打ってきた。2024年分のおせちは、全45種類のうち31種で100円を維持した一方、14種類は150円で展開した経緯がある。
2025年分からはついに「100円おせち」の名称を断念した。全40品のうち100円は15種類。150円を19種類、200円を4種類、300円を2種類という構成に変更した形だ。100円を諦めたからといって、一気に価格を上げるわけではない。今回も次の6つを継続的に実施することによって、販売価格を抑える努力を続けた。
1. =「早期の数量確約」をする。ローソンストア100側は安く仕入れられ、取引先は早くに売り上げが確定するためウィンウィンの関係に
2. =「サイズ不選別」とすることで、手間ひまというコストをかけない
3. =「工場の計画的稼働・効率化」を図る
4. =「オフシーズンの工場を活用」する。稼働率の向上という製造業の基本を忠実に実行
5. =包材の価格も上昇しているため「商品パッケージも標準化」した
6. =「大量発注・大量生産」をし、規模のメリットを最大限に生かした
このほかにも、物流網を改革してきた。近藤本部長は「現在、価格に最も大きな影響を与えるのは物流コストです。今の物流システムにしていなければ、100円商品の販売はできなかったと思います」と話す。
2025年のおせちのコンセプトは「価値ある価格」「自由に選べる」「ちょうどいいサイズ」の3つだ。
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