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新クルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」就航 激化する「富裕層の獲得競争」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時25分

 ちなみに料金は、12月8日から横浜発着で新宮、高知、釜山を回る6日間クルーズで、41万1000円から161万2000円。2025年4月の横浜発着で済州島、博多、宿毛を8日間で回るのが57万7000円から226万3000円。5月に66日間かけてベトナム、シンガポール、プーケット、バリ島、高雄などを66日間かけて回るグランドアジアクルーズは、470万円から2000万円。

 料金的には高めに設定しており、プレミアムな旅を満喫してもらおうと、内外の富裕層の乗客を取り込もうとしている。同じ層を狙っているのが、日本郵船系列で、現在、世界一周クルーズも含めて運航している「飛鳥II」を保有している郵船クルーズ。同社は2025年には新造船の「飛鳥III」を就航させる予定で、郵船クルーズと商船三井クルーズの両社、クルーズ船4隻による富裕層獲得の競争が激化しそうだ。

●増え続けるクルーズ人口

 世界のクルーズ人口はコロナ禍でいったんは落ちこんだものの、その後は回復傾向が見られる。国際客船協会(CLIA)によると、2023年は3170万人で、コロナ禍前には戻ってはいないが、力強い伸びになってきているという。このため、2027年は4000万人近い水準を予想している。

 日本はコロナ禍前の2019年に35万6000人を記録したものの、コロナ禍で2020年には2万7000人に激減した。2023年は19万6300人(外航クルーズが14万3400人、内航が5万2900人)。外航クルーズのうち日本船社によるものが3400人で、外国船主によるのが14万人となっている。クルーズ船を運営している外国船主は、日本のクルーズ人口が増えていることから、20万トンに近いクラスの大型船を日本発着のクルーズに投入するなど、日本での乗客数の拡大を見込む。

●海外富裕層の取り込みが重要

 現在の日本船主のクルーズ船は、大手海運会社系列の郵船クルーズの「飛鳥II」。商船三井クルーズの「にっぽん丸」と、今回就航した「MITSUI OCEAN FUJI」。このほか外国船では、年に3回世界一周クルーズを運航しているピースボート・ジャパングレイスや、2017年から大型船を使って日本近海クルーズを始めた家電販売ジャパネットたかた系列のジャパネットクルーズなどがある。

 こうした中で、クルーズ船事情に詳しい航海作家のカナマルトモヨシ氏は「東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが2028年度に就航を予定しているディズニークルーズの東京発着クルーズの動向は見逃せません」と指摘する。

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