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見かける機会が増えた「バインミー」専門店 サブウェイの教訓を乗り越え、日本人の日常に溶け込めるのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月14日 6時10分

 「現地の味を日本人にも楽しんでもらいたいという思いで創業しました。そのためバインミーの味は日本人向けにアレンジせず、現地のものを再現しています。そもそもバインミーはもともと日本人受けする料理だと思っています。チェーン展開では、全店でメニュー構成を統一しています」(ユイ社長)

 近年はパクチーブームもあり、国内消費者の食に対する嗜好(しこう)の幅が従来以上に広がっている。前述の通り、いつかはマクドナルドのような大チェーンにしたいとユイ社長は意気込んでおり、メニュー表もファストフード店のように、見てすぐに全体像が分かるような構成になっている。

●サブウェイの教訓を乗り越えられるか

 バインミーは、ワタミが買収して話題になったサンドイッチチェーン「サブウェイ」のサンドイッチに似ている。サブウェイは自分でトッピングをアレンジできる点や、野菜を積極的に食べられる点が注目され、店舗を拡大していった。しかし、2014年に500店舗弱まで拡大したのをピークに勢いを失い、現在では187店舗しかない。

 サブウェイが日本で思うように拡大できなかった背景には、注文方式の煩雑さがあるといわれている。注文の際、パンの種類や追加のトッピング、野菜やソースを自分で選ぶ必要がある。自分で商品を選ぶならまだしも、口でスタッフに伝える仕組みは確かに面倒である。調理に時間がかかる点もファストフードとしては難点で、量の割に値段がやや割高な点もマイナス要因と筆者は考えている。

 反対に、国内のバインミー店舗は今回の取材先を含め、一定のメニューで提供するところが多く、サブウェイのような煩雑さは感じない。他方、価格は単品でどこも600~800円台であり、牛丼やバーガーチェーンと比較して価格面では厳しそうだ。

●狙いは商業施設 日本人の「日常」に溶け込めるか

 バインミーシンチャオは18店舗中、フランチャイズが12店舗を占める。フランチャイズ加盟の問い合わせも多く、これまでは組織体制を確立するために出店を絞ってきた。ほとんどがベトナム人オーナーで、日本人オーナーがいる店舗は2店舗しかない。店員も基本的にベトナム人だ。来年度以降、本格的に出店を強化したいとユイ社長は話す。

 「他の業態よりも比較的初期投資額が小さいこともあり、今後はフランチャイズ店をメインとしつつ、直営店も出店します。地域別では関東と関西が中心で、立地は路面店と商業施設内を狙っていきたいです」(ユイ社長)

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