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CRMやSFA導入前の営業現場、どんな問題が起きていた? 大手Slerの場合

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月17日 9時30分

・顧客情報の共有や後任への受け渡し

 CRM/SFAの導入により、顧客基本情報だけでなく、直近の活動内容や前回提案からの経過時間、過去の受注情報などを簡単に誰もが把握できるようになりました。その結果、常に新鮮な営業先リストを作成できるようにもなりました。

 そのため、マネジャーやチームメンバーは、営業担当者からの共有や報告を受けなくても必要情報を検索したり、現在の活動状況などを把握したりできます。また、営業担当者の異動時も個別の引継ぎ資料は最小限で作成でき、スムーズな引き継ぎが可能となります。

・案件情報の報告

 案件報告についても、個々の状況を管理職に都度共有する必要はなくなります。案件におけるキーパーソンや商談日時、ネクストアクションなどを記録しておくことで、管理職はその内容を確認し、必要な行動を指示するだけで済みます。

 また、これまでは口頭やExcel、Wordでの閉じた共有方法でしたが、誰でもアクセスできるデータベース上に情報が残ることで、必要に応じて直属の管理職より上位のレイヤ-が直接指示を出せるようになります。組織として、リアルタイムな情報共有から素早い意思決定や行動に移せるようになるのです。

・日々の営業活動の報告や振り返り

 日々の営業活動をCRM/SFAに登録することで、日報や週報での報告業務は減らせるかもしれません。営業提案のステータスは全てデータベース上に登録されているので、その浮いた時間を新たな提案につなげることもできるでしょう。

 日々の振り返りは半期の評価にも影響を与えます。営業職には「あいつはよく働いているようにみえる」といった感覚評価が付きまといますが、CRM/SFAを導入によって活動数を定量的に示すせるため、感覚評価に引っ張られない適切な評価を下せます。振り返りにより、活動内容の適切さも判断できるため、次月や次Qへの活動計画の軌道修正を行いやすくなります。

・個人・チームの数字状況の把握

 日々の営業活動と同様に、CRM/SFA上で個人やチームの受注と売り上げ状況を把握できるようにすれば、個々人は営業活動の優先順位を意識的に変更するようになるでしょう。自身の営業活動はチームの目標達成に貢献しているかという視点が生まれることで、自身の日々の活動内容の改善につながったり、これまでの個人主義からチーム主義に移行させたりすることも可能かもしれません。

●まとめ

 CRM/SFAの導入前後での営業担当としての動きについて、例を交えながらまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?

 CRM/SFAを導入すると、システムに管理されるという思い込みをする方もいますが、これらはあくまでツールです。管理職が意思決定をする上での必要な判断材料を集めたり、営業担当が持つ案件管理や報告などに関する業務負担を軽減できたりするのです。

 次回は、管理職の視点から見た、CRM/SFA導入前後の変化について解説します。

●著者プロフィール

株式会社Grand Central

セールス領域に特化したコンサルティングカンパニー。東京に本社を置き、グループ会社含め名古屋・大阪の3拠点で事業を展開。"営業革命"を体現するインフラカンパニーへというミッションを掲げ、クライアントの営業活動における課題を分析し、戦略立案の提案から、勝ちパターンのスキーム構築、営業代行、インハウス化に向けたDX支援や、定着に向けたセールスイネーブルメントなどのソリューションを提供しています。当社HPはこちら。

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