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無名だった、スポーツブランド「On」 意外な戦略で人気拡大、箱根駅伝を沸かすか

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月3日 12時43分

 それからオンはグローバルの取り組みとして、「On Track Nights」という陸上競技場を舞台にしたレースをウィーン、パリ、ロンドン、ロサンゼルス、メルボルンなどで開催していたが、2024年7月には国内で初開催した。その全てが“規格外”だった。

 トラックレースは中距離種目(800、1500、3000メートル)のみ。バックストレートにはトンネルがあり、そのなかを選手たちが駆け抜ける。スタジアムには音楽が鳴り響き、選手の入場・フィニッシュには火花とスモークが噴き出した。観客はフィールド内でも観戦できて、選手との距離はかなり近い。観客はオンというブランドに親近感を抱いただけでなく、カッコ良さを感じたことだろう。

 国内でのブランディングが進んでいるオンだが、世界に目を向けると、パリ五輪の女子マラソンでの活躍が記憶に新しい。Onアスリートのヘレン・オビリ(ケニア)が銅メダルに輝いたのだ。なお男女のマラソンでメダルを獲得したのはアディダス、ナイキ、アシックス、オンの4ブランドしかない。

●日本の長距離界でも「存在感」 注目選手がOnを相棒に

 そして日本長距離界では、昨季から駒澤大学のスピードスター・佐藤圭汰選手が着用している。佐藤選手は出雲駅伝と全日本大学駅伝で区間賞を獲得。トラック10000メートルでも同社のスパイクでU20日本記録(当時)となる27分28秒50を叩き出した。

 またオンは昨年9月に駿河台大学とパートナーシップを締結。前回の箱根駅伝では駿河台大がオンのユニフォームで出場しただけでなく、駒大・佐藤選手を含む3人の選手がオンのシューズで箱根路を駆け抜けている。

 今季の駅伝シーズンはというと、駒大・佐藤選手が故障の影響で出雲と全日本を欠場したが、11月の全日本大学駅伝は5人の選手がオンのシューズを着用していた。その中では国内ではまだ未発売の「Cloudboom 4」というモデルを着用した駒大・篠原倖太朗選手(4年)の快走がインパクト抜群だった。

 全日本のエース区間である7区は青山学院大学・太田蒼生選手(4年)と國學院大學・平林清澄選手(4年)が激しい首位争いを繰り広げたが、5位でタスキを受けた篠原選手が猛追。アディダスを履く2人を抑えて、超ハイレベルの区間賞をゲットしたからだ。

 また、全日本大学駅伝では3区でトップを突っ走った青学大のスーパールーキー・折田壮太選手(1年)、創価大学の主将・吉田凌選手(4年)という実力者もオンを着用していた。2人が使用していたシューズがまた斬新だった。2024年7月に発表した最新テクノロジーを搭載したアッパー技術「ライトスプレー」で製造された「Cloudboom Strike LS」というモデルだ。

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