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日本の研究開発が危ない 旭化成社長が「AIは武器になる」と確信したワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月18日 14時37分

日本の研究開発が危ない 旭化成社長が「AIは武器になる」と確信したワケ

旭化成の工藤幸四郎社長(アイティメディア今野大一撮影)

 2025年の幕が開けた――。21世紀も「4分の1」、つまり四半世紀が過ぎようとしている。

 2024年のキーワードはAIだった。生成AIは単なる業務効率化に限らず、企業やビジネスの在り方を根本から変えようとしている。世界中の経営者がAIと向き合うことから逃れられない状況だ。世界経済や政治情勢も混迷を極めていて、経営者にとって企業のかじ取りはより難しくなっている。2025年、経営者が持つべき視座とはどのようなものなのか。

 「2025年 新春トップインタビュー ~AI革新企業に問う~」では、経営に関するさまざまなヒントを届けていく。富士通、NEC、旭化成、LINEヤフー、電通、日本HPの社長に2025年の展望、そしてAI活用を通じて自社をどう伸ばしていこうとしているか、その具体策を聞いた。

 最初にレポートするのは、経済産業省などが選ぶDX銘柄に4年連続で選定され、開発・製造・マーケティングなど各方面でDXを進めてきた旭化成だ。同社は【旭化成社長に聞く「事業ポートフォリオ転換のワケ」 トランプ政権誕生の影響は?】でレポートした通り、工藤幸四郎社長の指揮のもと、事業ポートフォリオを転換してきた。

 工藤社長は「当社は生成AIを、日本の中でも比較的早くから活用してきた。AIはこれから大きな武器になる」と話す。旭化成の“企業城下町”である宮崎県延岡市に生まれた工藤社長。2022年に「創業の地」出身者として初めて、同社のトップに就いている。しかもそれは創業100周年のタイミングだった。

 工藤社長は研究開発について「日本全体が危機的な状況だと思う」と吐露する。発言の真意を聞いた。

●イノベーションを起こすには“クレイジー”であれ 理由は?

――2024年は生成AIが流行しました。旭化成ではAIをどのように活用していきますか。

 当社は生成AIを、日本の中でも比較的早くから活用してきたと思います。メーカーなので、とりわけ重要なのは生産性向上に資するかどうかという点です。例えばリスクを低減させる取り組みとして、現場の危険予知に役立てるために生成AIを活用し、工場でのトラブル防止や品質向上に生かしています。

 競争力を強化するための材料の用途探索でも活用を進めています。これは機械学習などを活用して材料開発の効率を高めるMI(マテリアルズ・インフォマティクス)などにも通じる部分があり、AIはこれから大きな武器になると思います。

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