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無印、3COINS、ダイソーが大激突 雑貨店「500円戦争」のゆくえ

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月15日 5時55分

 Standard Productsも同じ雑貨店だが、食器に力を入れている印象を受け、その他は洗濯用品、インテリアなどを販売している。いずれかの性別を狙ったような印象はなく、商品一つにさまざまな配色があるのも特徴的である。基本的には300円均一だが、500円のデジタル時計、1000円の鍋というように、より高い商品も扱っている。

 公式Webサイトによると、1月9日時点でTHREEPPYは545店舗、Standard Productsは167店舗ある。2024年2月末時点ではそれぞれ451、100店舗であるため、著しい勢いで伸びている。いずれも駅チカや郊外型モールに入居し、旧ダイソーをリニューアルした3業態の複合店も見られる。

●もはや当初のコンセプトがなくなっている?

 良品計画では、2022年9月から「無印良品 500」を展開し始めた。コンセプトの一つに「誰もが手に取りやすい価格にすること」とあり、当初は店舗で販売する商品のうち、500円以下の日用品・消耗品が約7割を占めていた。

 だが、2025年1月初旬に関東のとある店舗を訪問すると、通常の無印良品との違いがあまり感じられなかった。スプーンなどの食器や洗剤類、化粧用の消耗品類は500円以下だが、それ以外は500円より高い商品がほとんどだ。通常店と同様に500円以上の収納用品、1000~2000円台の衣類も陳列しており、500円以下の品は7割に満たない印象を受ける。

 無印良品 500は大都市圏の駅チカ商業施設に出店している。3COINSや大創産業のように郊外型モールには出店していない。面積が限られているためか、無印良品で扱う商品のうち、小さくて比較的安いものを取り集めたような商品構成である。

 店舗数は1月9日時点で46店舗と、他社より少ない。新業態店とはいえ、無印良品と著しく異なる商品を扱っているわけではないし、無印良品が既に全国展開している手前、出店の余地は限られるのだろう。

●「500円戦争」、決着はまだ先か

 今回は3社の雑貨店を比較した。無印良品 500はやや軟調であり、成長しているのは3COINS(および3COINS+plus)と大創産業のStandard Products及び、THREEPPYである。このうち3COINS+plusは立ち位置が無印良品に近く、今後の店舗展開ではライバルとなるかもしれない。

 対する大創産業の2業態は、他チェーンと差別化できている印象がある。白や淡色系の商品が多い3COINSに対し、THREEPPYは可愛らしい色を扱う。Standard Productsは食器に力を入れている点がユニークであり、いずれもダイソーからのリニューアルという形で今後も店舗数を増やすだろう。500円戦争の決着はまだつきそうにない。

●著者プロフィール:山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。

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