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「正しいけど鼻につく……」 なぜあなたの話は部下に響かないのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月20日 8時10分

 一本調子、順風満帆の物語など聞いたことがないし、誰も聞きたくない。なぜならウソっぽいからだ。

 (1)新しい挑戦→(2)素晴らしい出会い→(3)驚くほど成功

 こんな物語など、誰の心も揺さぶらない。だから何らかの想定外のこと、予期せぬ出来事を物語の中に入れよう。

 ただし、以下のようにそのまま「失敗」を入れてしまうと、単なる「オチのあるストーリー」になってしまう。

 (1)新しい挑戦→(2)素晴らしい出会い→(3)まさかの大失敗

 相手と関係を作りたいときにあえて自分を落とす物語をするのはいいだろう。自分の成功談ばかり話す人は共感されにくい。

 ただ、組織メンバーを鼓舞したいときやお客さまに商品を紹介したいとき、採用面接で自分を売り込みたいときには使えない。

 その失敗の出来事をきっかけに物語が大きく動き始める。そうなってはじめて、その出来事がターニングポイントとなる。ウソはいけないが、そのような出来事がなかったかしっかりと思い出し、多少の飾りつけをする。そしてこのようなターニングポイントを1カ所か2カ所は入れてみる。

 「かつてのクラスメートに同窓会で馬鹿にされた。あれがターニングポイントだった」

 「お客さまから呼び出され、こっぴどく叱られた。あの悔しい出来事がなければ、この商品は出来上がってなかったと思います」

 このように話すことで、相手の関心は一気に高くなる。物語は単なる直線で描かれない。なだらかな曲線でもない。カクカクした折れ線になるのが普通だ。だから最終的に成功する物語でも、一回は落としたほうがいい。

 (1)新しい挑戦→(2)素晴らしい出会い→(3)想定外の連続・挫折→(4)突然のチャンス到来→(5)なんと大成功!

●3. 葛藤と衝突

 最後に絶対不可欠な要素「葛藤と衝突」を紹介する。

 物語には、必ず思いがけない事件・出来事が発生する。だから主人公は葛藤を覚えるのだ。そして信念を貫くために、周りの人たちと意見が衝突することもある。というか、それがなければ物語は成立しない。

 「大変でしたが、みんなで協力し合って乗り越えました」では、誰の心も揺さぶらないのである。

 人は誰でも、理不尽なことがあってもそれを乗り越えようとする人を応援したくなるもの。だから、そういった経験をキチンと言語化してみよう。

【編集部注:この記事は、横山信弘氏の著書『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』(翔泳社、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。】

著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)

企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。

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