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Disney+好調の舞台裏 日本人初エミー賞受賞に導いた『SHOGUN 将軍』成功の意義

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月26日 13時47分

 日本人男性俳優がゴールデングローブ賞を受賞したのは史上初のことだ。そしてこれはまさに、ウォルト・ディズニーのコンテンツ戦略が奏功していることを意味する。

 助演男優賞を受賞した浅野忠信は、『SHOGUN 将軍』ゴールデングローブ賞4冠受賞記念に開いた1月13日の会見で、「(主演とプロデューサーを務めた)真田さんという強い核があったからこそ、チームワークとしてうまくいったのではないか」と述べた。

 真田は、2003年の映画『ラスト サムライ』に出演したことを契機にハリウッドに進出。同作の経験から、ハリウッドで正しい日本人像を描く活動に20年以上携わってきた。真田にとって『SHOGUN 将軍』はその集大成となる作品であり 、その「核」があったからこそ、チームとして『SHOGUN 将軍』が成功したと浅野は振り返る。

●決算で初の部門全体「黒字化」

 Disney+のこうした成果は、決算にも着実に表れている。ウォルト・ディズニーが2024年11月に発表した2024年7~9月期決算は、売上高が前年同期比6%増の225億7400万ドル(約3兆5000億円)、純利益が74%増の4億6000万ドルとなった。

 冒頭のヒット作に恵まれて映画部門が好調だったことに加え、動画配信部門は2四半期連続の営業黒字となっている。

 Disney+やHulu、スポーツ専門チャンネル「ESPN+」も含めた7~9月期の動画配信部門の売上高は、前年同期比13%増の62億9600万ドルとなった。営業損益は3億2100万ドルの黒字で、前年同期の3億8700万ドルの赤字から黒字転換している。2019年のDisney+開始以降、2024年4~6月期で初めて部門全体を黒字化させた形だ。

 日本人初のエミー賞やゴールデングローブ賞受賞をはじめ、世界的にみるとDisney+の戦略は奏功している。一方、動画配信の国内市場はまだこれからで、先述したGEM Partners2023年の国内市場シェアによると、Disney+は8.9%で5位だった 。一方で契約者の顧客満足度は高く、2024年のオリコンの調査ではNetflixに次ぐ2位となっている 。同調査でDisney+は、2021年と2022年が1位、2023年は2位だった。

 消費者を一度契約させることさえできれば、Disney+は市場位置以上のポテンシャルがあるといえる。2024年の成功を受け、Disney+がどこまで成長できるのか注目だ。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

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