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三菱鉛筆「クルトガ」はなぜ売れ続けるのか 累計1億本超ヒットの要因

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月27日 8時10分

 2023年3月には、書き始めから終わりまでノックすることなく書き続けられ、繰り出し量を5段階調節できる「KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)」(希望小売価格5500円)を発売した。また、2024年4月にはメタル製の軸を採用した上質なモデル「KURUTOGA Metal(クルトガ メタル)」(同2750円)を投入。各モデルともにシャーペンとしては高価格帯でありながら品薄の店舗も出るなど、好調に販売数を伸ばしている。

 クルトガ ダイブは、筆記の動力を応用した自動芯繰り出し構想をベースにしたもので、完成に長い年月がかかった。「この機能はクルトガ開発当初からつくりたい気持ちが強く、それを目指して機能を積み上げてきた」という。

 独自の調整機能により、筆記中の芯の繰り出し量を筆圧や芯の硬度に合わせて5段階に調整が可能となり、自分好みの筆記感で書き続けられるようにした。またシャーペンとしては珍しいキャップ付きで、そのキャップを外すと、すぐに文字を書き始められる機能も備えている。

 クルトガ メタルは、メタル製の軸による上質さと、より安定した筆記感を実現したモデルとなる。上質なメタル軸のデザインを採用し、表面の質感やクリップ形状といった細部にまでこだわり開発している。

 クルトガ メタルにも筆記中のブレを軽減する「クルトガエンジン」を採用している。また、ペン先に筆記時の衝撃を和らげる樹脂製パーツ「ニブダンパー」を備えることで、ペン先のブレを感じにくく、安定した書き味を実現している。

 グリップ部分にはメタル製の上質さも生かしつつ、手になじみやすい表面加工を施した「マイルドエッジグリップ」を採用。「高価格帯になったことで、より自然な書き心地が感じられる機構が採用できた。機能も外装(デザイン)も、これまでのクルトガのノウハウを詰め合わせたモデルとなっている」

●三菱鉛筆が考える「クルトガ」シリーズヒットの要因

 クルトガシリーズは累計で1億本以上も販売しているが、同社はヒットの要因をどのように分析しているのか。

 井澤さんは「複数の要因が考えられるが、シャーペンに対して他社も含めて機能性を求める流れが来ていたタイミングで、なかなか目新しい機構だった点がうまくはまったのではないか」と話す。

 初期モデルを発売した2008年ごろは、いまほど動画やSNSを活用したプロモーションが活発ではなかったため、クルトガの特徴を視覚的に伝える手段が限られていた。そんな中、店頭で映像を使うなど工夫を凝らすことで、学生を中心に認知が拡大していったという。

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