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「北海道のボールパーク」人気の理由は? 418万人を引き寄せた“試合以外の300日”

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月28日 6時20分

 しかし、プロ野球はホーム球場で開催できる公式戦は年間70試合程度しかなく、残りの約300日をどう活用するかが、球場経営の大きな課題となる。この点に関して、北海道ボールパークFビレッジは開業当初から試合がない日の集客に力を入れてきた。

 球場の外には、年中利用できるグランピング施設の「BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR」や、あそび道具を提供するボーネルンド社の直営施設「リポビタンキッズ PLAYLOT by BorneLund」などがあり、野球以外のコンテンツが充実している。

 また、グルメ、推し活イベント、音楽ライブなど多彩な催しを年間を通じて展開。イベントの実施日数は年間の約90%に上った。「みんなのパン&スイーツまつり」「北海道グルメフェス」に加え、日本と韓国野球界のレジェンドを集めた「日韓ドリームプレイヤーズゲーム」、Bリーグ「レバンガ北海道」の公式戦など、独自性の高いイベントを実施した。

●「データ活用」が進む

 野球のシーズンオフで、かつ寒さが厳しく集客が落ちる冬季には、「ムーミン」とのコラボレーションやアイススケートリンクを設置。北海道ならではの冬の自然体験ができる取り組みのほか、年末年始にはフィールドに「ES CON FIELD神社」を設けるなど、さまざまな方法で集客を図っている。

 「試合がない日をどうビジネスにつなげていくかという観点で動いている。開業初年度の実績を踏まえ、企画の内容や精度の向上も含めてつくり上げた」(伊藤氏)

 こうした多彩なイベントを展開してきたことで、来場者は増加。チケット購入に必要な会員登録数は80万人を超え、Fビレッジ公式アプリのダウンロード数も51万件に達した(いずれも2025年1月現在)。

 顧客データを蓄積することで、利用者の行動に合わせた適切な情報を提供できるようになった。チェックインチャレンジやデジタルスタンプラリーなど、エンターテインメント性のある仕掛けを通じて接点を増やし、そこで得られたデータをもとに従来のコア層向けの施策を継続しつつ、新たな来場者層を意識した取り組みも進めている。

 具体的な成果も見えてきた。2023年は施設の魅力や天然芝フィールド、温泉サウナといった要素で来場を促してきたが、2024年はチームが好調だったこともあり、来場者層に変化が見られるという。「若い女性のチームグッズ購入金額が増加したほか、札幌市内在住の20代男性のリピーターも増加した」と伊藤氏は手応えを語る。

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