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フジテレビの余波で放送局の“ガバナンス”は強化されるか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 10時38分

 事件当日の会食に、X子さんを誘ったのがフジテレビ編成幹部A氏なのかどうかは、同社が組織的に関与していたかどうかを示す重大なファクトだ。『週刊文春』はここにきて、非常に重要なファクトを“極めて静かに”訂正したことは指摘しなければならない。

 ただ一方で、世間やステークホルダーは中居正広氏の女性問題以上に、この事件によって明らかになったフジテレビの企業体質に対して、厳しい目を向けていることも事実だ。1月27日の“10時間会見”に、同社で権力を握っているとされる日枝久氏が登場しなかったことや、女性問題について同社のコンプライアンス推進室へ情報共有しなかったことなどが“炎上”し、スポンサー企業のCMキャンセルは当分、収まりそうにない。

 「被害女性に配慮した」としながらも中居正広氏を起用し続けるなどトラブルに適切に対応できなかったことに加え、一部のメディアにしか開かれなかった1月17日の“クローズド会見”などへの批判が集中し、フジテレビやFMH経営陣の経営責任を問う声がやまない状況だ。フジテレビの港浩一社長、嘉納修治会長の辞任が発表されたものの、今後の同社の経営の道筋は見えない(フジテレビ社長交代、新社長の経歴は? 『ドラゴンボール』『ちびまる子ちゃん』など手掛ける参照)。

 同社の影響はABCテレビをはじめ、他局にも及んでいるようだ。TBSホールディングス傘下のTBSラジオは1月27日、フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏に重大なコンプライアンス違反があったとして、同氏がパーソナリティーを担っていたラジオ番組を、同日の放送をもって降板したと発表した。生島氏にTBSグループの人権方針に背く重大なコンプライアンス違反があったことを確認したからだと説明している。

 フジテレビ問題の影響によって、日本の放送局、ひいては日本企業全体の内部統制が強化されるかどうかは注目すべきテーマだ。記者は、フジテレビが1月17日の時点で今回のような開かれた記者会見を実施していれば、ダメージは現在よりも抑えられたのではないかと感じている。港社長の指示のもと、ネットメディアやフリーランスのジャーナリストなどを排除する“クローズド会見”を開いたこと、そしてその会見の中で日本弁護士連合会のガイドライン(指針)に基づく第三者委員会を設置すると明言しなかったことが大いなる反発を招いた。この“隠ぺい体質”が、フジテレビ不信の根本にあるのだ。

 フジテレビの清水賢治新社長は、4月以降のCM販売交渉が事実上止まっていることを会見の中で認めている。今後は3月末に公表見込みの第三者委員会の報告書の内容に注目が集まるものの、フジテレビの経営にとっては険しい道のりとなりそうだ。

(アイティメディア今野大一)

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