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1号店は苦戦!? 「いきなり!ステーキ」の次は「肉だけ、野菜なしのすき焼き」 ペッパーフードの新業態は成功するのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月5日 15時0分

 コの字カウンターには、各席の前にIHコンロが備え付けてあり、店員が鉄鍋を使って肉を調理する。メニューは「国産牛」「黒毛和牛」「ブランド和牛」のすき焼きセットのみ。価格はそれぞれ、1980円、2530円、3850円である。この日のブランド牛は松阪牛だった。

●目の前のコンロで店員が調理 「関西風」のすき焼きとはいうものの……

 セットの内容は、ご飯、生卵、みそ汁、お新香、ご飯のおとも、ミニソフトクリーム。この日は、ご飯には北海道の「ゆめぴりか」、卵は青森の「十六代真っ赤卵」を使用していた。ご飯とみそ汁は1回だけ、おかわり可能。ごはんのおともは青のりで、生卵を溶いてすき焼きを楽しんだ後、ご飯にかけて卵かけご飯にする際に、香りづけに使う――といった基本的な説明を店員から受けると、IHコンロにて早速調理が始まる。

 今回は最も安い国産牛のメニューを注文した。店員が鉄鍋に牛脂を敷き、割下とザラメ糖を絡めて肉を焼いていく。通常の煮るタイプのすき焼きとは異なり、いかにも「ステーキ店が考えそうなすき焼き」と思えなくもない。

 店員によれば、このすき焼きは関西スタイルだそうだ。関西出身の筆者は地元に知人も多いが、大阪・神戸・京都でこういった肉だけのすき焼きを見たことがなく、非常に驚いた。ちなみに肉の味に集中してもらうために、あえて野菜や豆腐、糸こんにゃくなどの具材は入れないのだそうだ。

 あっという間に調理が終わり、5分ほどで店員はいなくなって、あとは“孤独のグルメ”を味わうことになった。確かに肉も卵もご飯もおいしかったが、肉は数枚、野菜すらないのは、料理としてやはり物足りない感が残った。

●すきはなと好対照な「ちかよ」

 すきはなに先行して、肉だけの1人すき焼きを提供してきた店がある。江ノ島と渋谷にある「ちかよ」だ。2022年10月、小田急線の片瀬江ノ島駅前に1号店を出店。この店が評判となり、2023年9月、渋谷にも2号店をオープンした。こちらも人気店で、渋谷店を見る限り、20~30代の若い人や、インバウンドの顧客が多い。

 ちかよという店名は、店主の母の名前に由来する。奈良の実家で母が作ってくれたシンプルな“焼きすき”を再現したという。具材は肉だけで、割下を使わずしょうゆと砂糖だけで味付けている。店主は偏食で野菜が食べられないので、肉だけのすき焼きになったとのことだ。

 上質な肉をじっくりと焼き上げるために炭火にこだわり、専用の鋳鉄鍋を燕三条の三条特殊鋳工所と共同開発。ご飯には「西の横綱」と称される、父の実家で栽培した島根県産コシヒカリの「仁多米」を使っている。

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