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「ノンアル=お酒の代替品」から脱却へ サントリー、50億円投資の本気度 

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月6日 13時28分

「ノンアル=お酒の代替品」から脱却へ サントリー、50億円投資の本気度 

サントリー、ノンアル拡大に本腰(戦略説明会にて編集部撮影)

 サントリーがノンアルコール飲料(以下、ノンアル)の拡大に本腰を入れる。2月5日に開催した戦略説明会において、鳥井信宏社長は「ノンアルはお酒の代替品や清涼飲料の類似品ではない」と話した。

 ノンアル市場は年々拡大している。同社の推計によると、2024年の市場規模は1055億円となり、2023年比で111%、2019年比で135%となった。昨年における、サントリーのノンアル出荷数は4500万ケースを突破し、過去最高を記録した。

 一方、酒類の市場規模は約3.2兆円、飲料の市場規模は約5.3兆円とはるかに巨大だ。酒類と飲料の市場規模の合計と比較すると、ノンアルの市場規模(1055億円)は約1%しかない。福本匡志氏(ビール・RTD本部 ノンアル部長)は、ノンアルの市場規模を、2030年には最低でも1400億円、将来的には酒類・飲料市場の1割となる8000億円程度まで成長させたい考えだ。

 サントリー単体では、2030年にノンアルコール飲料で700億円を売り上げることを目標に掲げる。そのために同社は、今年1月にノンアル専門部署として「ノンアル部」を新設した。これまでは、ビール本部、スピリッツ本部、ワイン本部にそれぞれノンアル担当を置いていた。これらを集約し、商品開発を行う。また、ノンアルのマーケティング活動に、前年の約1.3倍となる約50億円を投資する。

●ブランドポートフォリオを再構築

 ノンアルコール飲料は、飲酒運転が社会問題化した際の解決策として注目を集めた。その後、コロナ禍で加速した健康意識の高まりを受け、お酒を我慢するときの代替品として普及した。福本氏は「ノンアル=我慢するときの飲み物、というネガティブなイメージから脱却し、新しいポジティブな存在意義が必要だ」と説明。ノンアルを我慢する時の飲み物から、「ノンアルを飲みたいから飲む」というように積極的に選ばれる飲み物へとイメージを変える取り組みを進めていく。

 まず着手するのは、ブランドポートフォリオの再構築だ。これまでは、ビールテイスト、RTDテイスト、ワインテイストというように味わいでブランドを分けていた。今後は、消費者がノンアルに求めるニーズごとに分類するという。

 消費者がノンアルに求めるニーズについて、福本氏は「『リフレッシュ』『楽しく健康を気遣いたいという健康機能』『お酒の楽しい気分を味わえる』という3つに大分できる」と説明する。例えば、リフレッシュのカテゴリーには「オールフリー」や「のんある気分」が該当し、今後は3つのニーズに合わせて商品をカテゴライズする。

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