孫正義氏「大企業向けに最先端のAIを」 ソフトバンクグループとOpenAIが実現へ
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月9日 19時58分
社内のシステムの最適化にも役立つと指摘した。多くの企業ではすでに構築された基幹システムが稼働していて、ソフトバンクグループの場合、約2500のシステムがそれぞれ独自のデータベースを保有し、運用している。これらのシステムは数十年にわたり積み重ねられたもので、ソースコードの解析は困難だ。すでに開発者が引退し、意図を正確に把握できないケースも多く見られる。
こうした課題に対し、クリスタル・インテリジェンスは既存のソースコードを全て解析し、プログラムの意図や機能を読み取り、最新の言語に置き換えてバージョンアップできると説明した。
最後に孫氏はイベントに参加した大企業のトップに向けて「大企業の皆さんは、このチャンスを生かしてほしい」と呼び掛けた。クリスタル・インテリジェンスは、企業の仕事を手助けするだけでなく、社員に代わって業務を迅速に、365日24時間こなしてくれるという。人手不足に悩む企業の現場にとっては早急に導入したいものだろう。
ソフトバンクグループとしては、まずクリスタル・インテリジェンスをグループ各社に導入。そして、一般企業向けに、各企業向けにカスタマイズした専門の最先端AIを展開していく方針だ。
AIエージェントが普及すれば、AGI(汎用人工知能)の実現が近づくことになり、孫氏は「SFのような物語の世界がついにやって来ようとしている。一気に開発を進めたい。AGI革命は、今後2、3年よりもっと早く実現する」と話した。AGIは孫氏が以前から描いていた世界で、その達成時期が早まる可能性が出てきた。
●アルトマン氏「開発コストは下がる」
この日の孫氏とトークセッションをしたOpenAIのアルトマン氏は、テクノロジー業界の天才起業家として有名だ。ソフトバンクグループは、2024年にソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じてOpenAIに5億ドルを出資し、関係を強化。今回はそれぞれの強みを生かす形で合弁会社を設立した。ソフトバンクグループからはソフトバンクが販売を担当し、OpenAIは開発を担う形で、AIエージェントの機能を持った生成AIを、世界に打ち出す方針だ。
アルトマン氏は孫氏とのセッションで「生成AIの技術力は毎年10倍のペースで進歩しており、開発コストも半分程度に下がってきている。このため、高度化したインテリジェンスのリターン(報酬)は2次曲線で伸びている。(クリスタル・インテリジェンスの)開発には自信を持っている」と述べ、技術進歩により開発コストが下がることを強調した。
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