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“勝ち組”日立は生成AIを「本当に」活用できるか? 社長のIR向け発言から考察

ITmedia エンタープライズ / 2024年6月17日 15時0分

 また、大きな転換点を生む技術を企業価値向上につなげるサイクル(図5)も、DX推進企業にとってはこれから必須の取り組みになるのではないか。このサイクルは企業競争力を決定付けるものとなるだろう。

 最後に、今回の小島氏のスピーチで筆者が最も印象深かったのは、IR向け説明会にもかかわらず、時間の大半を生成AIに関連する話に割いていたことだ。上記のエッセンスだけでもお分かりいただけたと思うが、日立ほどの大所帯の企業でも生成AIはIRの観点から見ても最重要テーマであることが明確に見て取れた。

 冒頭で紹介した小島氏の発言にもあるように、日立はこの10数年にわたって大改革を実施して再生を図った、日本企業の代表的な「勝ち組」と見られている。その大胆さもさることながら、大所帯といえども世の中の変化にいかに機敏に反応し、瞬発力をもって動くことが大事かを、小島氏のスピーチから感じ取ることができた。ただ、日立が生成AIを本当に活用し、他のDX推進企業を力強くけん引するような存在になり得るかどうかはこれからの活動次第だ。目を凝らして注視していきたい。

著者紹介:ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT/デジタル」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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