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業務外注サービスはAIでどう変わる? NTT Comとトランスコスモスの提携に見る「BPOの進化」

ITmedia エンタープライズ / 2024年7月22日 16時17分

 最後に、筆者がBPOに注目する理由を述べておきたい。端的にいえば、BPOのベースにあるプロセス指向の考え方が、DXを進める上で重要だと考えるからだ。

 BPOおよびプロセス指向の考え方について筆者は、BPOのメリットとして自社の競争力の中核となる重要な業務に人材や資源を集中できる他、中核でない業務に固定的に張り付いていえう人員や設備などにかかる費用を変動費化し、企業規模や業績に応じて柔軟にコントロールできることにあると理解している。

 BPOを利用する際はまず、委託先がどこかにかかわらず、「業務の切り出し」という作業が重要になる。どの業務が切り出せて委託でき、何ができないのかを切り分ける作業だ。特に日本の業務内容は複雑なケースが多い。人事や総務などで明文化しにくい慣行があってルールが定型化されていなかったり、属人的な経験に依存していたりする業務に心当たりがある企業は多いだろう。

 「定型化できない」といって放置していては、委託できる作業が減るのに加え、効率的に業務をこなすためのマニュアルも作れず、先に述べたBPOのメリットを生かせない。切り出せない業務をできるだけ小さくすることがミソとなる。そうして切り出された業務が機能的につながったものが、ビジネスプロセスである。このプロセスを重視する考え方がDXのベースにある。つまり、プロセス指向の考え方を実践することが、DXの成功につながるのである。そして、今まさにAIがその強力な支援ツールとして使えるようになってきたわけだ。

 これからDXを全社的にうまく進める企業は、おそらくBPOを効果的に適用していくだろう。そう考えると、BPOは企業にとって働き方の変革にもつながるといえそうだ。

○著者紹介:ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT/デジタル」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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