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富士通とNECの最新受注状況から探る「今後の国内IT需要の行方とリスク」

ITmedia エンタープライズ / 2024年8月7日 7時0分

 その上で、同氏は次のように述べた。

 「単に人を増やせばいいという話ではなく、自社の事業ポートフォリオに沿った形で人材のポートフォリオを構成させていかなければならない。そのためには、処遇面についてもしっかりと報いるような状態をつくらないと、人のモチベーションは上がらないだろう。こうした悩みは当社に限らず、多くの企業が抱えているのではないか。今後は人材確保とともに、AIを活用した自動化も積極的に進める必要があるが、そうした仕組みを作り上げるための人材も引く手あまただ。人材の話を『リスク』と表現していいのかどうか少々疑問も感じるが、この問題を乗り越えられなければ、どれほどデマンドが強くてもそれに応えられなくなるという意味で、大きなリスクだと考えている」

●NECは今後のリスクについて「大きなものはない」

 NECが2024年7月30日に発表したITサービスにおける2024年度第1四半期の国内受注状況は、全体で前年同期比13%増、変動の大きいNECファシリティーズを除くと同15%増と好調に推移した。

 業種別では、パブリックが前年同期比32%増と大幅に伸長し、エンタープライズが同2%増、その他も同6%増と伸びた。エンタープライズの内訳では製造が同13%増、流通・サービスが同10%増と伸長したものの、金融は同7%減にとどまった(表2)。

 この受注状況について、同社 取締役 代表執行役 Corporate EVP 兼 CFOの藤川 修氏は会見で次のように説明した。

 「第1四半期は旺盛な需要によって大幅に増加した。業種別では、パブリックが大型案件や自治体標準化案件の獲得により大幅に増加した。大型案件を除いても前年同期比10%強の増加となった。エンタープライズの内訳では、金融向けが同7%減だったが、前年同期に獲得した大型案件を除くと二桁伸長しており、引き続き好調を維持している。製造はDX関連の案件が増え、流通・サービスも大型案件を獲得するなど好調に推移している。その他も子会社のアビームコンサルティングが同19%増で好調を維持している」

 今後の需要については、「受注状況は引き続き好調に推移すると見ている。2024年度の業績目標に向けて案件を着実に積み上げているという実感がある」とのこと。そこで富士通の磯部氏への質問と同じく、そうした好調な中で今後の受注にマイナスの影響を与えるリスクをどう見ているかと聞いたところ、藤川氏は次のように答えた。

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