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パーソルグループの新戦略から考察 経営改革は「DX×BPO」で推し進めよ

ITmedia エンタープライズ / 2024年10月1日 7時0分

 新会社といってもこれまでのグループ内の関連事業を再編・統合した形なので、発足時点で公共や通信、電力、金融などの業界を中心に約1900社の顧客基盤、従業員数1万8000人、年間売上高約1000億円の規模からのスタートだ。そう紹介した市村氏は、「今後の展望として、顧客社数1万社以上、従業員数約5万人、そして売上高も合わせてBPO業界ナンバーワンを目指す。この業界は大手をはじめとして競合がひしめいているが、本気で挑んでいきたい」と意気込みを語った。

●新たな働き方でもあるこれからのBPOを活用せよ

 パーソルビジネスプロセスデザインが手掛ける事業は、「BPO事業」「CX(カスタマーエクスペリエンス)事業」「コンサルティング事業」「BPaaS(ビジネス・プロセス・アズ・ア・サービス)・プロダクト事業」の4つから構成されている(図4)。同社としては、各事業が横断的に連携・協働することでサービスの高付加価値化を推進したい考えだ。

 また、同社は今回の発表を機に、バックオフィス業務の運用をBPOで支援する中小企業向けオンラインBPOサービス「StepBase」の提供を開始した。バックオフィス領域を中心に多岐にわたる業務を同社の各分野の実務経験者がオンラインで効率的に行うサービスである。必要な業務を必要なタイミングで依頼することが可能なため、人件費を抑えるとともに、従業員が重要度の高い業務に集中する環境を提供することができるとしている。発表資料には利用料金プランも明示されている(図5)。

 市村氏は会見の中で、BPOと社会課題について次のような話も披露した。その内容も非常に興味深いので紹介しておこう。

 同社は社会課題として「顧客組織の生産性向上」「適切な労働移動の実現による社会生産性の向上」「地方活性化への貢献」「働く人が成長できる環境の創出」の4つを見据えているという。中でも特に重視しているのが2つ目で、「労働移動」がキーワードだ。

 労働移動という言葉は政府のレポート「令和6年度 年次経済財政報告」にも、「コロナ禍を経て企業の人手不足感が急速に高まり、少子高齢化と人口減少による労働人口の減少が経済の成長を抑制する要因となっている。こうした中、労働市場におけるリソース配分の効率を高めるためには、人手不足が顕著な領域への労働移動の円滑化は重要な課題だ」と記されている。

 市村氏は労働移動の課題として、「イノベーションの影響による産業構造や事業構造の変化に起因する業務や人のミスマッチ」という顧客企業の課題と、「転職への心理的ハードルが高い、スキルが追いついていない、個人の学ぶ機会が少ない」という働く人の課題がある中で、その両方に対して多様な仕事の現場を提供し、仕事およびスキルをアップデートできるようにすることが求められているとの認識を述べた(図6)。

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