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NECのDX事業の現状から探る 「日本企業のDXの進捗」

ITmedia エンタープライズ / 2024年10月16日 7時0分

 「クロスインダストリービジネスユニットは、消防防災関連の更改需要など、ベース事業の領域が増加している。一方で、コアDXの新事業として取り組んで来たスマートシティーやインフラ協調モビリティは社会実装が遅れており、2024年度および2025年度の目標を見直して新たな長期戦略として建て直す」

 その上で堺氏は、「国内IT事業では、2023年度までコアDXとして推進してきた成長事業を2024年度からBluStellarブランドとして再定義した。ITサービスについては既存の事業領域をしっかりと維持しながら、投資とリソースをBluStellarに集中し、売り上げ拡大と利益率改善を図る」と力を込めた。

 なお、BluStellarの概要については、2024年6月3日掲載の本連載記事「NECの取り組みから探る『ユーザー企業がDXを成功に導く3つの要件』」を参照していただきたい。

●日本企業のDXの取り組み比率は17~19%と推察

 「BluStellarは、全社の(2025年度までの)中期経営計画の達成に向けたキードライバーだ」

 こう強調したのは、BluStellar事業を担う吉崎氏だ。2022年度(2023年3月期)には全社売上高3兆3130億円のうちBluStellar事業の売上高は2376億円だった。それが、2025年度には全社売上高3兆5000億円のうち4935億円に成長する見込みだ(図3)。今後、BluStellar事業の割合が増えていけば、先にも述べたようにNECは大きく事業変容していくだろう。

 吉崎氏はBluStellar事業の推移について、図4を示しながら次のように説明した。

 「BluStellar事業は、オファリングを含めた商材と(子会社の)アビームコンサルティングを中心としたコンサルティング起点ビジネスの2つで構成されている。2022年度より営業利益を黒字化し、2023年度も堅調な成長を続けている。売り上げはBluStellar事業全体で当初の中期経営計画を上回る成長を見込んでおり、2025年度で営業利益率11%以上の実現に向けて順調に推移している」

 最後に、今回のNECのBluStellar事業を巡る話の中で、筆者が最も興味深く感じた図を挙げて、どこに注目したのかを述べる。図5が、それである。

 特に図5右側に記されている数字に注目してほしい。これらの数字は、図2で紹介した国内IT市場に向けたビジネスユニットのうちパブリックとエンタープライズの売上高に占めるBluStellar事業の比率を記したものである。それによると、パブリック領域では2023年度は9.1%で2025年度には13.5%に、エンタープライズ領域では同じく19.1%から25.7%になる見通しだ。

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