富士通とNECの2024年度第2四半期受注状況から探る「国内IT需要の行方とリスク」
ITmedia エンタープライズ / 2024年11月6日 7時0分
「リスクになり得るのは、力強いデマンドに対応したリソースの確保だ。全ての領域でこれが大きな課題となっている。この課題に対処するため、当社では開発の標準化やオファリングビジネスへのシフトを懸命に進めているが、その進捗(しんちょく)がうまくいかないとリソースの手当てができなくなる恐れがある。この点が、今一番のリスクだと考えている」
●「受注の力強い勢いを感じている」(NEC)
NECが2024年10月29日に発表したITサービスにおける2024年度第2四半期の国内受注状況は、全体で前年同期比17%増、変動の大きいNECファシリティーズを除くと同18%増と好調に推移した。同社は今回、受注については上期分を表示せず、第2四半期の結果のみを公表した。
業種別では、パブリックが前年同期比38%増と大幅に伸長し、エンタープライズが同2%増、その他も同15%増と伸びた。エンタープライズの内訳では、製造が同11%増、流通・サービスが同14%増と伸長したものの、金融は同11%減となった(表2)。
この受注状況について、同社 取締役 代表執行役社長 兼 CEO(最高経営責任者)の森田隆之氏は会見で次のように説明した。
「第2四半期は第1四半期に続いて旺盛な需要により大幅に増加した。業種別では、パブリックが大型案件や自治体システムの標準化案件により大幅に増加した。大型案件を除いても前年同期比約10%の増加となった。エンタープライズの内訳では、金融向けが同11%減だったが、前年同期に獲得した大型案件を除くと増加に転じており、引き続き好調を維持している。製造はDX関連の案件が増え、流通・サービスも大型案件を獲得するなど好調に推移している。その他も子会社のアビームコンサルティングが好調に維持している」
今後の需要については、「足元の受注は第1四半期から継続して好調に推移しており、今後も力強い勢いを感じている」(森田氏)とのことだ。会見に同席した同社 取締役 代表執行役 Corporate EVP 兼 CFOの藤川 修氏も、「2024年度については売上に計上できる有効受注残も前年度より4~5%高く推移している。業種別では、金融において引き続き旺盛な需要があると実感している。一方で、流通・サービスにおいては大型案件によって好調だが、さらに大型以外の案件を獲得できる機会も多々あるようなので詰めていきたい」と述べた。
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