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富士通とNECの2024年度第2四半期受注状況から探る「国内IT需要の行方とリスク」

ITmedia エンタープライズ / 2024年11月6日 7時0分

 今後の受注にマイナスの影響を与えるリスクについて富士通の会見時と同様に質疑応答で聞いたところ、森田氏は次のように答えた。

 「旺盛な需要に対応できるリソースをしっかりと確保できるかどうか、心配している」

 このように、リスクについては富士通の磯部氏と全く同じ答えが返ってきた。リソースとは、ヒトやモノ、カネなどの経営資源を指すが、両者とも意図しているのは「人材」だ。逆に人材を確保できれば、仕事はいくらでもあるという状態だといっていい。この点は、両社に限らず、全てのITサービス事業者に当てはまるようだ。

 実は、リスクについて、国際情勢や経済動向など外的な動きにおける懸念はないかと聞いたが、富士通の磯部氏およびNECの藤川氏とも異口同音に「国内のIT需要に対し、短期的にネガティブな影響を及ぼす動きは今のところ見当たらない」との回答だった。

 折しも2024年11月5日(現地時間)に米国大統領選が投票日を迎える。結果によって、国際情勢や経済の動きが大きく変わる可能性がある。そうなると、国内のIT需要にも影響が出るのではないか。

 リソースの懸念はあるものの、国内のIT需要は今、DX特需・AI特需といえる活況だ。ただ、良い時には得てして落とし穴が待っている。数少ない見方かもしれないが、筆者はそのリスクを注視していきたい。

著者紹介:ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT/デジタル」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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