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「AIエージェント」の進化形とは? 富士通のテクノロジー戦略から探る“企業を支えるAI戦略”

ITmedia エンタープライズ / 2024年12月17日 9時0分

 マルチAIエージェントについて岡本氏は、「異なるAIエージェントのセキュアな連携により、プロアクティブに課題を解決する当社ならではのマルチAIエージェントを実現するため、現在、3つの技術開発に取り組んでいる」とし、その内容を説明した。

1. 「共創学習」

 複数のエージェント同士が相互作用しながら、共創的あるいは敵対的に学習する技術だ。これにより、複雑で未知の問題への柔軟な対応が可能になる。

2. 「セキュア・エージェントゲートウェイ」

 エージェント間連携のプライバシーやセキュリティリスクに対応し、連携ポリシーを「場」に適用する技術だ。これにより、情報交換とアクションの信頼性を確保する。

3. 「AIワークフロー制御」

 AIエージェント間での分業とタスク実行の整合性を制御する技術だ。これにより、環境や課題の自動理解による最適なタスク分業が可能になる(図3)。

 同社は今回、マルチAIエージェントの第一弾として、異なる専門スキルを持つAIエージェント間のナレッジ連携で堅ろう性を高める共創学習をベースとしたセキュリティ技術を開発したと発表した。これにより、「攻撃と防御のシナリオを、実環境と模擬した仮想環境上で協調させて最適な施策を実行できる」(岡本氏)という(図4)。

●経営視点の取り組みが不可欠なAIエージェントの活用

 岡本氏はマルチAIエージェントについて、「企業内での利用にとどまらず、クロスインダストリー領域へ適用するためにはどうすればよいか。産業競争力懇談会(COCN)に提案して採択され、『エンジニアリング革新』とのテーマで、サプライチェーンのAIエージェント同士でクロスインダストリーの最適化、調整、判断を行えるようにして、国際競争力およびレジリエンスを向上させる仕組みを政策提言しようと取り組んでいる」とも話した(図5)。

 岡本氏の話からすると、個人を起点とするAIエージェントに対し、企業の組織や業界を超えて協調しながら動き回るのがマルチAIエージェントという捉え方もできそうだ。

 AIエージェントの進化については、マハジャン氏も興味深い話をしていたので紹介しておこう。同氏は自身の話の最後に「AIテクノロジービジョン」として、「マルチベンダーによるAIエージェントが連動し協調するコンポーザブルアーキテクチャを提供する。これにより、企業が事業戦略に合わせてAIを選択しコントロールすることで、革新を起こせるようにする」と語った(図6)。

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