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HPEが掲げる「脱モノ売り」の事業方針 SIer各社のビジネスモデル転換の背景に迫る

ITmedia エンタープライズ / 2024年12月23日 17時26分

 ちなみに「Hybrid Cloud by Design」は、「成り行きでできあがったハイブリッドクラウドではなく、ハイブリッドクラウドを自らデザインする」(望月氏)とのメッセージを込めた取り組みのことだ。

 そして、この3領域のソリューション群を包含するのがGreenLakeだ。望月氏は、「これによって、最適化されたITインフラを『アズ・ア・サービス』で提供している。GreenLakeによって目指すのは、お客さまがデータ駆動型トランスフォーメーションを実現することだ」と、改めてユーザーニーズに応えることを強調した(図3)。

●IT業界全体がリカーリングによるビジネスモデル転換へ

 望月氏は事業方針の説明の最後に、HPE日本法人としてのモットーについて次のように説明した。

 「2024年度までのモットーは『Journey to One』だ。社内の各部門が共通のゴールを目指してワンチームとなり最大価値を提供するためのジャーニーを進もうというものだった。2025年度(2025年10月期)はモットーとして『One HPE』を掲げ、これまでの活動に拍車を掛けるとともに、パートナー企業とのエコシステムも合わせて一体となって活動したい」

 具体的な施策としては「Edge-to-Cloudサービスの拡充」「ソリューションセリングの加速」「パートナーソリューションとHPEアセットの融合」の3つを挙げた。この中のEdge-to-Cloudサービスが、すなわちGreenLakeだ(図4)。

 振り返れば、2018年にHPEはGreenLakeを本格的に事業としてスタートし、2022年には同社の全ての製品を対象とした。ただし、GreenLakeが何かといえば「HPEのサーバやストレージなどのハードウェアを顧客が指定する場所に設置し、使用したITリソースに応じて従量制で課金するサービス」というのが、もともとの捉え方だった。オンプレミスでありながらクラウドのように変化に対応するシステム基盤を、初期コストを抑えて導入できるのが特徴だ。

 本稿冒頭で、HPEにとって「GreenLakeがビジネスモデルの転換へのチャレンジになる」と記したが、その本質はどこにあるのか。先述したように、ビジネス形態として従来のモノ売りからサービス提供へ変わるのだが、肝心なのはそれに伴って費用のやりとりが変わることだ。ユーザーからすれば、買い取りからリカーリング(継続課金)に変わることなる。

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