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富士通は「AIエージェントの“正体”」をどう見る? AI事業のキーパーソンに聞く

ITmedia エンタープライズ / 2025年2月5日 7時30分

 こうした悪循環に陥らないように、「AIの導入は企業として覚悟を決めて、アグレッシブに突き進む姿勢が大事だ」と、岡田氏は力を込めた。

 では、AIエージェントの可能性と課題についてはどのように見ているのか。まず、可能性については次のような見方を示した。

 「AIエージェントの可能性としては、企業の業務全体を効率化して生産性を向上させ、新たなビジネス価値を生み、サプライチェーンも最適化して、つまりは企業を力強く成長させられる。どうすれば、それが実現できるか。ポイントは“つなぐ”ことにある。企業ではこれからさまざまな業務ごとに適したAIエージェントが使われるようになる。しかし、業務全体として効果を上げるには、それらを連動させる必要がある。当社はそうした複数のAIエージェントが協調する環境作りに注力している」

 これは、取材テーマであるAIマネジメントへの対応に直結する話だ。富士通がどのように取り組んでいるかは後述するとして、一方の課題についてはどう見ているのか。

 「課題としては、可能性の話と裏腹に、複数のAIエージェントが協調する環境を安全かつ信用できる形で実現できるかどうかが挙げられる。まずはAIが技術的に正しい答えや意思決定を迅速に出し続けられるか。それを踏まえて、企業としてAIエージェントの導入をどれだけ前向きに判断できるか。ベンダーとしては、その前向きに判断いただけるようにクオリティーの高い環境作りに尽力したい」

 端的にいえば、「信用できるAIエージェント」かどうかだ。これは人間関係も同じだろう。

●AIエージェントで「経営とITの融合」へ

 そうした可能性と課題があるAIエージェントのマネジメント対策として、富士通はどのようなソリューションを提供するのか。岡田氏は次のように説明した。

 「複数のAIエージェントが協調する環境作りに向けて、当社は“コンポーザブルアーキテクチャ”を提唱している。これはまさしく複数のベンダーのさまざまな業務向けのAIエージェントを連携させて、企業の業務全体の効率化や生産性向上を図り、サプライチェーンも最適化して力強く成長することを目的とした取り組みだ」(図2)

 「コンポーザブルアーキテクチャ」について、同氏はこんな見方も示した。

 「コンポーザブルアーキテクチャは、企業にとって何を意味するのか。これまで長らく“経営とIT”あるいは“ビジネスとIT”の関係について一体化させることが重要だという議論があったが、その実現が難しいことも広く認識されてきたと思う。人に置き換えると、経営者やビジネスパーソンと、ITを担うエンジニアとのコミュニケーションにはギャップが生じやすかった。AIエージェントはそのギャップを埋める存在になり得るのではないか。AIエージェントを有効活用するには、両者がしっかりと連携することが不可欠だ。つまり、コンポーザブルアーキテクチャはこれまで難しかった“経営とITの融合”に向けたアプローチだ」

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