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LINEMO新料金プランは“楽天モバイル対抗”を強く意識 ただし経済圏やLINE連携には課題も

ITmedia Mobile / 2024年6月8日 6時5分

 一方で、Y!mobileのシンプル2は、従来以上に家族契約や光回線などのセット契約を重視した料金体系になっており、割引の比重が大きい。20GBのシンプル2 Mも、「おうち割 光セット」や「PayPayカード割」がない素の料金は4015円に跳ね上がってしまう。これに対し、LINEMOは当初から「おひとり様でもお得になる料金を心掛けてやってきた」(同)。こうした特徴は、新料金プランでも健在。データ容量をY!mobileとそろえたことで、それがより明確になった。

 データ容量の設計は、「悩みに悩んだ」(同)という。「3ブランドをうまく差別化していかないと、どこかに雪崩が起こってしまう」(同)からだ。想定以上にソフトバンク内でのブランド移行が進むと、ARPU(1ユーザーあたりの平均収入)が落ち、経営の不確定要素になる。逆に、LINEMO自体の契約者数はソフトバンクやY!mobileほど伸びておらず、テコ入れの必要もあった。LINEMOベストプランは、その答えだったというわけだ。

 3つ目の狙いが、ユーザー数を伸ばす楽天モバイルへの対抗だ。LINEMOベストプランという名称からも、この料金プランが楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」を強く意識して設計されていることがうかがえる。「10GB以下では業界最安」(同)とうたっているのは、そのためだ。寺尾氏も「意識してないと言ったら、そんなことはない」と認める。

 実際、Rakuten最強プランで3GBを超えると、次に料金が変わるのは20GB。間が大きく空いており、使用したデータ量が10GBでも料金は2178円かかる。LINEMOベストプランはここを突き、3GB超20GBで2178円のRakuten最強プランより安い2090円という料金を打ち出した。もともと3GB同士の比較ではLINEMOの方が安かったが、その上の階段にいるユーザーを狙う戦術だ。ソフトバンク内でLINEMOの比率が上がればARPUは下がるが、他社からユーザーを奪えれば収益は純粋なプラスになる。新料金プランの導入で、対楽天モバイルの色をより濃くしたといえる。

●経済圏をどう生かすか 課題が残るLINEMOのサービス連携

 もっとも、楽天モバイルには、Rakuten Linkを介した音声通話やSMSが無料になるサービスがあり、この点を加味するとLINEMOベストプランの方が料金は高くなる。また、LINEMOベストプランには10GBを超える設定がない。LINEMOベストプランVを選ぶ手もあるが、こちらは少々割高。楽天モバイルの場合、20GBを超えると3278円で無制限になるため、LINEMOベストプランが全てのユーザーにピッタリとは言い切れない。

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