楽天モバイルの「プラチナバンド」は1.7GHz帯との“ベストミックス”で展開 5G速度も向上させ1000万回線の早期達成を目指す
ITmedia Mobile / 2024年6月27日 21時9分
基地局にアップデートを掛けることでも通信品質を向上させている。無線アクセス装置のDU(分散ユニット)とCU(集約ユニット)のソフトウェアアップデートを実施することで、2024年6月に全国でMassive MIMOのビームフォーミング機能を拡張した。これによって基地局のキャパシティーが増強され、通信速度と安定性が大幅に向上したという。パラメーターを最適化することで、4Gと5Gのハンドオーバーをよりスムーズに行えるようにもなるとする。
基地局の出力アップとソフトウェアアップデートにより、セルあたりの5Gトラフィックが約2.3倍になり、5Gにつながるユーザー数が約1.5倍に拡張されたという。東京都内では、5Gエリアにおける下り速度が50Mbpsの低速セルが約64%減少し、50Mbps~300Mbpsの高速セルが約106%上昇したデータも示した。
「(データ通信を)使っている人も使っていない人も、基地局に近くて(通信が)速い人も速くない人も、どんどんスピードが上がってきている。より楽天モバイルは世界の最高水準に近づいている」(三木谷氏)
米ASTと提携して国内での提供を目指している衛星通信サービス「スペースモバイル」の進展も順調だという。2024年5月には、ハワイと東京で衛星通信によるビデオ通話に成功した。スペースモバイルの提供は2026年を予定しており、「日本全国津々浦々、ブロードバンドが入る。面積カバー率100%を増やしていく」を三木谷氏は改めて意気込みを語った。
●プラチナバンドは1.7GHz帯との“ベストミックス”で展開する
6月27日に提供を開始した700MHz帯のプラチナバンドは、狭い路地や屋内でも電波が届きやすい性質を生かし、既存の1.7MHz帯を補完するバンドとして運用していく。1.7GHz帯で運用しているデュアルバンド対応のアンテナに、700MHz帯に対応した無線機を併設することで、エリア拡大のリードタイムを短縮し、コストを抑えて展開できることも同社は強調する。
700MHz帯の試験電波は2024年4月30日から発射している。商用サービスは主要都市部から順次エリアを拡大していく。なお、6月27日時点では東京都の一部エリアのみカバーしているとのこと。楽天モバイルの矢澤俊介社長は「かなり前倒しでスタートできたので、このペースでスピードを上げていきたい」と意気込みを語った。
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