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AppleのAI戦略発表はなぜ他社より大幅に遅れたのか 「Apple Intelligence」の真価を読み解く

ITmedia Mobile / 2024年7月19日 11時27分

 まずは米国の英語環境で動くようにし、それができたら他の言語圏、文化への適応が必要となる。1つの巨大なLLMであれば力技で済むことだが、最適化しながらだとそれだけの時間を要する。

 Apple Intelligenceがすぐに出ないのは、そのための時間が必要だからだし、日本語対応が2025年のいつかまだ分からない状況だというのも、そういう状況だからなのだろう。

 このことに気付くまでは「秋まで出せないとか努力が足りない」という印象だったのだが、今では「分かる。むしろ秋で間に合うのか」という考えに変わった。

●Apple IntelligenceとSiriとChatGPTの関係

 ChatGPTのボイスモードと比較すると、Siriは応答性、知識のいずれにおいても劣っていた。しかし、秋以降の英語版Siriにおいては少なくとも応答性は抜群に向上するはずだ。これまでとは異なり、Appleデバイスにある情報はサードパーティーアプリも含めコンテキストに応じた振る舞いができるため、より理解力のあるパートナーとなる。

 ここ数年は進化の見られなかったSiriだが、今度は大きな進化が見られそうだ。

 その新機能の1つとして、ChatGPTへの仲介機能もある。Siriからテキスト、写真、書類を呼び出してChatGPTに伝え、回答を得ることができる。ChatGPTアプリがあれば別になくてもいい機能だが、GPT-4oを無料で使えるというのはメリットの1つだし、有料ユーザーは限定機能も利用可能だ。

 だが、実はApple Intelligenceの構造図にはChatGPTは存在しておらず、Platforms State of the Unionでも全く言及されていない。

 ChatGPTはWriting Toolsから呼び出すことはできるし、Composeアプリで画像生成も可能だ。このあたりはAppleがChatGPTを組み込んだAPIを提供しているわけではなく、Apple純正アプリが個別に対応しているということなのかもしれない。

 Appleは、OpenAIべったりというわけではなく、Google Geminiの採用もにおわせている。また、主要マーケットの1つである中国においてはどちらのLLMも使えないだろうから、Baiduあたりのサービスを採用する可能性もある。

 このあたりの構造も今後、明確になっていくものと考えていいだろう。

 そんなわけで期待の大きいApple Intelligenceと次期OSだが、日本で活用できるのはまだまだ先。秋以降は英語で生活する時間が増えそうだ。

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