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「Pixel 9」シリーズ3機種をじっくりと試す AIを駆使したカメラ機能は健在、ただし進化の余地もあり

ITmedia Mobile / 2024年8月24日 6時5分

●編集マジックも進化、ただしAI機能は今後の進化にも期待か

 もう1つのAIを使った機能が、「編集マジック」の新機能にあたる「オートフレーム」だ。こちらは、正確に言えば端末そのものの機能ではなく、「Googleフォト」のいち機能になる。処理もクラウド上で行っているため、今後、他の端末にも開放される可能性はあるが、現時点ではPixel 9シリーズ専用の機能に位置付けられている。

 これは、写真の“外側”を生成AIで書き足す機能。他社のスマホにも同様の機能があり、例えばサムスン電子の「Galaxy AI」では、角度補正で足りなくなった外側を生成AIで継ぎすことができる。Xiaomiのハイエンドモデルにも、「AI拡大(AI Expansion)」が搭載されており、トリミングとは逆に写真の枠を広げることが可能だ。メーカーごとに実装方法は異なるが、写真を元にしながらその外側を生成AIで書き足すという点は共通している。

 Pixel 9シリーズのオートフレームは、これらとは少々異なり、編集マジックで機能を呼び出すと、自動的にAIが画角を広げた写真の候補を4枚提示する仕様だ。上記の2例とは異なり、ユーザー自身で画角を決定することはできない。何回か試してみたが、おおむね傾向は共通しており、少しだけ外側を追加している場合には、かなり自然な仕上がりになる。中には、言われなければAIで拡張したと気付かれないようなものもあった。

 一方で、大胆に周囲を広げているような写真は、あきらかに不自然になることも。謎のオブジェクトが生成されてしまったり、街中に突如廃墟のような建物が現れてしまったりといったケースもあった。ユーザー自身で画角調整できないため、想定通りの写真が出るまで繰り返し試すしかないのが難点だが、使い方は簡単で手軽に試せるのがいい。その意味では、AIになじみのないユーザーにも優しい機能といえそうだ。

 ただし、AI関連の機能に関しては、Pixel 8シリーズとの差分がやや少ない印象も受ける。これは、新機能の一部が日本語に対応していないことにも由来する。例えば、撮りためておいたスクリーンショットを整理し、AIで必要な情報をすぐに呼び出せる「Pixel Screenshots」は、日本版のPixel 9シリーズに搭載されていない。電話の内容を書き起こして要約する「Call Notes」も同様。さらには、画像生成アプリの「Pixel Studio」も日本での提供が始まっていない。

 Pixel 9シリーズのメモリはノーマルモデルが12GB、プロモデルが16GBと大きく増量された。これらは主にオンデバイスAIを実行するためといわれているが、肝心のAIがなければ宝の持ち腐れになりかねない。今は、AIのための“器”が提供されているにすぎず、その上に盛り付けられる“料理”がお預けになっているような状態だ。ノーマルモデルと同じサイズのPixel 9 Proが登場した新味はある一方で、使っていくと、既視感を覚えることも事実。Pixelの売りはやはりAIだと再認識したのと同時に、未対応の機能の早期導入を期待したい。

(製品協力:グーグル合同会社)

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