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実は始まっていた「povo3.0」への布石 povo2.0は他社対抗も含め“完成形”に

ITmedia Mobile / 2024年9月7日 6時5分

 データ専用プランは、既に訪日外国人観光客向けのサービスにも応用している。同社は、東京都内を中心とした一部のローソンで、プリペイドeSIMの販売を開始した。これも、将来的には「インバウンド向けのアプリSDKで(povoを)組み込んでいくというユースケース」を目指し、その布石として展開しているものだ。

 また、4月ごろからpovo2.0にも新たなトッピングを加え、他社対抗路線を明確化している。4月には、楽天モバイルのデータ容量無制限に料金面で真っ向から対抗した「データ放題 7日間×12回分」を導入。8月には、LINEMOの「LINEMOベストプラン」より安い料金を狙った「120GB(365日間)」などを定番トッピングに追加し、ラインアップを充実させている。今後も、競争環境に応じてデータ容量などを変えていく可能性はありそうだが、ひとまずpovo2.0としての完成形を迎えつつあることがうかがえる。

●ABEMA、Wi2、富士ソフトが導入を検討、B2B2Cモデルへの転換は図れるか

 MWCでは、「来年(2025年)上期に3つ、4つは出していなければいけない」と語っていた秋山氏だが、KDDI SUMMITでは、交渉を進めている具体的な会社名が挙げられた。動画サービスのABEMA、公衆無線LANサービスを展開するKDDIグループのワイヤ・アンド・ワイヤレス、業務用ソリューションからWi-Fiルーターまで幅広く手掛ける富士ソフトが、その3社だ。

 秋山氏によると、「お客さまに提供していくトッピングもカスタマイズでき、ご相談しながら決めていく」という。例えば、データ容量をちょうど動画1本ぶんにしたり、自社サービスだけデータ容量のカウントから除外するゼロレーティングのサービスを入れたりといった形で、パートナーが望むトッピングを用意する意向だ。秋山氏は、「パートナーと一緒に新しいものを作っていこうというのが現段階」と語る。

 当初は、povoという名前も比較的前面に出るが、「パートナー側やそのお客さまが見たときに自然な形になるよう、こうあるべきと決めているわけではない。できるだけ(povoの)名前をウォッシュアウトしてしまうやり方はもちろんある」という。より通信がサービスやコンテンツに溶け込めるよう、パートナーの名前で提供していく可能性もあるそうだ。

 回線をパートナーに提供する黒子という意味ではMVNOやMVNOを支援するMVNEに近い印象も受けるが、秋山氏は「MVNOとは違うと思っている」と話す。「お客さまとのエンゲージメントを高めるところをご一緒にして、一緒に作り上げていくコンセプトでこの事業を用意している」(同)とした。将来的には、海外で現地キャリアのネットワークを利用できることも想定しており、「例えばシンガポールで事業を広げたいと思ったら、テレコム同士のアライアンスでコネクティビティをご用意したい」(同)という。

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