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あえて最安狙わないドンキの格安SIM「マジモバ」 インパクト大だが“ahamoショック”第2波が懸念材料

ITmedia Mobile / 2024年9月14日 9時2分

 とはいえ、先に述べたようにホワイトレーベルだと、得られる収益はレベニューシェアにとどまる。会員基盤を生かし、大々的に通信事業を展開するのであれば、MVNEを活用しながらMVNOになる道もある。同じ小売りでも、イオンリテールはMVNOとしてイオンモバイルを展開しており、店舗を生かしながら規模を拡大している。PPIHは、なぜこのような道を選ばなかったのか。

 森谷氏によると、マジモバの狙いは「利益重視の新事業ではなく、お客さまとの継続的な接点を作り出すリテール事業におけるCRM(カスタマー・リエーションシップ・マネジメント)の装置として展開している」ところにあるという。どちらかといえば、「タッチポイントを取りたい」(同)のがPPIHの考えで、マジモバはmajicaの延長線上にある取り組みになる。そのため、売り上げ目標も「明確には定めていない」という。こうした狙いには、低リスクなホワイトレーベルの仕組みが合致する。

 とはいえ、PPIHの展開している店舗はいずれも集客力が高く、売上高も年間で2兆円を超えているだけに、1カ月あたりの目標回線数は「直近で(モバイルWi-FiルーターとSIMカードそれぞれ)月3000契約ずつ」(同)と大きい。マジモバを顧客接点強化のためのツールと考えているPPIHに対し、エックスモバイルの「見方は逆で、ビジネスとして相当な大きくなる」(木野氏)と捉えているようだ。

 マジモバは、顧客接点を拡大したかったPPIHと、ホワイトレーベル戦略で回線数を伸ばしたかったエックスモバイル、双方の思惑が合致した結果として誕生したサービスといえる。サービス開始の9月13日には、木野氏自身も店頭に立って接客を行うという力の入れようだ。PPIHのような大手企業が提供することで話題になれば、協業先を広げやすいメリットもある。

●料金以外での差別化を目指すエックスモバイル、ahamoショック第2波はかわせるか

 マジモバの料金を見ると、3GBで770円という金額は確かに安い。MVNO最大手のIIJが展開するIIJmioの「ギガプラン」は2GBが850円、オプテージのmineoも「マイピタ」の1GBが1298円で、いずれもマジモバよりやや割高だ。大手キャリアに目を向けると、ドコモのirumoは3GBが2167円、オンライン専用プランだとKDDIのpovo2.0やソフトバンクのLINEMOが、3GBを990円で提供している。

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