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TORQUEは「強さだけじゃ飽きられる」 京セラが語るタフネススマホ開発の舞台裏

ITmedia Mobile / 2024年10月11日 10時5分

 耐久性については、1mの高さからの落下を500回連続で行うタンブル試験、先のとがったピストルの弾のような形のものを落下させる金属落下試験、2mの高さから凸凹のある鉄板やアスファルトに向かって落下させるローレット試験、泡タイプのハンドソープで洗浄する試験を含む。「2mの高さは中型トラックのダッシュボードに相当し、車のダッシュボードから外へ落下した場合を想定し、試験を実施した」(伊藤氏)そうだ。TORQUEの真骨頂といえる部分がこれだ。

 他にも「京セラの北見工場(北海道北見市)では雪の中にTORQUEを突っ込んだり、車でひいてみたり……といろいろな試験を実施して耐久性を担保している」(伊藤氏)という。

 持続性は、長期利用を意味する。「バッテリーの容量を増やせば長時間使えるが、それに伴い重量も増してしまうなどのデメリットが生じるため、ソフトウェアでバッテリーを長持ちさせる仕組みを取り入れた」と伊藤氏は明かす。秘匿性については、「ソフトウェアでセキュリティレベルを上げていく」という意味で、「外からは見えづらい部分ではあるものの、これもタフネスの1つとして捉えている」と伊藤氏は続ける。さらに、「特殊な環境下で使える」(伊藤氏)ような特殊性も重視しているそうだ。

●「強いだけだと次第に飽きられる」 京セラが打った次の手

 ただ、強さは他の端末も極めていける部分だ。急速に進んだ円安や部材費高騰などのあおりを受け、2023年に経営が破綻した後、レノボグループによって救済され、事業再開を果たしたFCNTも5月16日に発表した新型スマートフォン「arrows We2」「arrows We2 Plus」は防塵・防水、耐衝撃の性能に加え、泡タイプのハンドソープで洗えるようになっている。

 京セラも「ただ単に強いだけだと、TORQUEユーザーも次第に飽きてくるし、世の中にある端末も強くなっていくと、(TORQUEの)強さの魅力度が落ちてくる」(伊藤氏)という考えから、タフだけではないアップデートを入れた。例えば、TORQUE G06ではTORQUE初のマクロカメラを搭載し、被写体に4cmまで近づいたマクロ撮影ができる。

 タフさだけでなく見た目にもこだわり設計されているのがTORQUEシリーズだ。TORQUE G01は「ポリカーボネートとエラストマーを組み合わせた設計で、高耐久性を赤で表現」(北村氏)している。形状も独特だ。TORQUE G03では「八角形を採用」(北村氏)しており、TORQUE G04からは「動画視聴を想定」(北村氏)したことから、「上下左右でシンメトリー(対称)」(北村氏)なレイアウトとなっている。

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