ドコモの通信品質向上、新ブランドスローガンにも反映? 「つなぐ」強調の意図は
ITmedia Mobile / 2024年11月7日 16時24分
ドコモグループとして、新しいブランドスローガンを検討する中で、前田氏が「特にこだわった」点は「ビジョンの中心にあるつなぐという言葉と、驚きという言葉だ」という。「ドコモグループの提供する価値やイノベーション(新しいもの)に触れて、嬉しい驚きを感じてもらい、それが定着していくことで、世の中が幸せになっていく、そんな未来をグループ一丸となって目指す」(前田氏)という意味もあるそうだ。
前田氏のいう「高い品質レベル」はドコモ通信品質を示すのではないか? とも受け取れる。ドコモの通信品質については、2023年から一部のユーザーが“パケ詰まり”をSNSなどで訴えるようになった。これを受け、ドコモは通信品質の改善に300億円を先行投資し、全国2000カ所の“点”や、鉄道動線などの“線”で品質を改善してきた。他にも「d払い」アプリでバーコードが表示されるまでの時間を場所ごとに可視化するなどして、通信品質の向上に取り組んでいる。
そんな中、英Opensignalによる日本のモバイル通信品質の調査レポートで、KDDIが全18部門のうち13部門で1位を獲得し、国内MNOでは最多受賞となった。
KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長 前田大輔氏は10月17日の通信品質説明会で「4G転用周波数を利用した5Gをベースに、Sub6の基地局を高密度に打つことで、浸透度の高いSub6を提供できるのがKDDIの取り組み方だ」との考えを示し、「ドコモと楽天モバイルはSub6から展開し、エリアカバーもSub6に依存してしまうため、KDDIのような高密度な展開ではなく、薄めのSub6の展開が先行する」との見方を示した。
ドコモの前田氏は11月7日の決算会見で「Sub6のエリアをどのように全国的に広げるかをまずは優先してきた。基地局の打ち方でエリア品質が保てる場所もあるため、ドコモとしての考え方が間違っているとは思えない」とした一方で、「都市部など、人口密集エリアにはもっと密に打っていかなければならないという課題認識はある。その中で、4G転用周波数を埋められていないのも事実」と話した。
日本電信電話(NTT)の島田明社長はドコモの前の時間帯に開催した決算会見で、「ドコモの顧客基盤の強化と、通信品質の強化が重要な課題である。この2点を死守をしたい。そのためにはあらゆる面で、コストを改善しなければならない」と話した。
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